その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は友村晋さんの『 2045 不都合な未来予測48 生成AIが開けた扉の向こう側 』。「まえがき」をお届けします。
【まえがき】
AIが生み出す未来、あなたは準備ができていますか?
想像してみてください。10年後、20年後のあなたの姿を。
今の仕事は残っているでしょうか?
家族との時間は増えているでしょうか?
それとも、全く想像もつかない世界が広がっているでしょうか?
AIが日々進化する中、私たちの未来は確実に変わっていきます。その変化は思いもよらないスピードで、思いもよらない方向に進んでいくかもしれません。
あなたは、その波に乗れますか?
それとも、その波に飲み込まれてしまいますか?
本書は、その答えを探る旅です。ちょっとだけ分厚い本になっちゃいましたが、難しい専門用語は使っていません。あなたと一緒に、ワクワクしながら、時にはちょっとビビりながら、未来を予測していきましょう。
今の生成AIはまだ赤ちゃんだと知ってほしい
「世間に出回っている未来予測本は小難しい!」
「もっと簡単で面白い未来予測本を書いてほしい!」
これは、フューチャリストを名乗る僕のユーチューブに多く寄せられる要望です。それで僕は、2冊目となる本書を書くことにしました。特にチャット(Chat)GPTが登場してからは、このような要望をいただくことが増えました。多くのビジネスパーソンが、「自分の将来は大丈夫なのか?」と不安を覚えるようになったのでしょう。
米国の未来科学者ロイ・チャールズ・アマラ氏の「アマラの法則」があります。
“僕たちは新しい技術の短期的な効果を過大評価し、長期的な効果を過小評価する傾向がある”
まさにチャットGPTをはじめとする生成AIに対して、僕たちはアマラの法則に陥っているのではないでしょうか。チャットGPTが登場した直後、人々は「あっという間に人の仕事がなくなるかも!」と特にIT界隈では大騒ぎになりました。
ところが2年たってみても、生成AIのせいで仕事が劇的に減ったという実感はありません。テレビや新聞でもそのような報道はされていません。つまり、僕たちは生成AIを短期的に過大評価してしまったんです。
それでは長期的にはどうでしょうか。僕は全国でチャットGPTの活用をテーマにした講演を行っており、冒頭でいつも受講者の皆さんに「チャットGPTを使ってみましたか?」と質問することにしています。するとほとんどの受講者が「使ったことがない」と答えますし、使ってみたことがある少数の人も「仕事には全く生かせていない」と答えます(ただし都内は別です)。チャットGPTが登場してもう2年もたつというのに、地方のほとんどのビジネスパーソンはチャットGPTを仕事で生かせていないんです。
これは、チャットGPTをはじめとする生成AIがもたらす今後20年のインパクトを長期的に過小評価している証拠です。現在の生成AIは、まだ生まれたばかりの赤ちゃんです。そのことに気づいていない人があまりにも多いと感じています。
例えば、「チャットGPTは間違うことがあるから信用できない!」という人をよく見かけますが、開発元のオープンAIは既にその弱点に気づき、SearchGPTというサービスの開発を急いでいます。またその弱点に特化した競合のPerplexity(パープレキシティ)やPatronus AI(パトロナスAI)などのサービスもどんどん市場を狙って台頭してきています。
こうして競争が生まれ、生成AIが間違った情報を吐き出す回数(ハルシネーションと言います)は減っていくでしょう。ビル・ゲイツ氏も「今、チャットGPTにできないことは、すぐにできるようになる」とコメントしています。
そこで僕もフューチャリストとして、未来予測本を書こうと決意したのです。
今回も危機感をあおる本に仕上がっています!(笑)
前著『2030 未来のビジネススキル19』に続いて、やっぱり今回も危機感をあおる内容に仕上がっています。僕は常々、講演会などで「ビジネスパーソンには健全な危機感が絶対に必要です」とお伝えしています。今回もそのつもりで書きましたので、多少(?)過激に感じるところがあるかもしれません。あ、R指定しておけばよかったかな?
それは冗談ですが、先ほどのアマラの法則に気づいてほしくて、あえてそのような書き方になっている意図があることをご理解いただけると幸いです。
ですから、読んでいてドンヨリしてしまう部分もありますし、僕自身も「この予想は外れてほしいなぁ」と祈りながら書いた項目もあります。おまけに具体的な職業名をズバリ示し、不安をあおるような未来予測を書いている箇所もあります。
この手の話をユーチューブで発信すると、すさまじい量のアンチコメントが石打の刑のごとく投げ込まれてくるんです。ですから、該当職業の人たちがこの本を読んでどんな気持ちになるのか十分に承知して書いています。それでもあえて書いているのは、どんなに僕にムカついても構わないので、「前向きな気持ちで未来に向かって歩き出してほしい」と願っているからです。それが僕の使命だと信じているんですね。
もちろん、危機感だけをあおって終わっては意味がありませんので、各項目には未来に対して「今すぐあなたがやるべきこと」も書き添えています。これは前著と同様です。この点の工夫こそ、経済学者などが書く未来本と、本書の違いです。現役でコンサルタントとしてビジネスを行っている僕ならではの未来予測本になっていると自負しているんです。
宇宙一わかりやすい未来予測本にしました。
あ、「宇宙一わかりやすい」って掲げてしまいましたね。
前著『2030 未来のビジネススキル19』(書籍購入者には20番目のシークレットスキル※1付き)はおかげさまで大反響をいただき、発売1カ月で台湾版と中国版の発売が決まりました。この本には、生成AIが台頭しても絶対に仕事を奪われない、かつ時代が変わっても使い古されることがない、人として磨くべきビジネススキルをまとめています。
そしてこの前著には、大変ありがたいことにたくさんのアマゾンレビューをいただきました。それらを読んでいて共通点に気づいたんです。それは、「AIに疎い私にもとてもわかりやすかった!」というコメントです。これはうれしかったですね。わかりやすさは僕が最も心を砕いたところだったからです。
世の中にある最先端テクノロジーの解説は、LLM(大規模言語モデル)だとかデータドリブン経営だとか、わかりにくい専門用語がビシバシ出てきて読むのがつらくなります。ちまたの未来予測本も、経済学者やアナリストのような専門家たちがこれみよがしにマクロ経済学を援用しながら小難しく書いています。
読んでいて楽しくありません。「未来なんかどうでもいいや」ってなります。だったらフューチャリストの端くれである僕が、中学生が読んでもわかるように、宇宙一わかりやすい生成AIの未来予測本を書くしかないと使命感に火が付いたんですね。
本書の読み方
タダの未来予測本ではなく、ひと工夫しようと考えました。未来予測を48項目に絞り、予測した未来に対してどんなスキルを身につけてどのように行動するべきかを解説しました。
僕の前著『2030 未来のビジネススキル19』をお持ちの方は、手元に置いて読んでほしいと思います。前著で解説したスキルがたくさん登場するからです。もちろん、前著をお持ちでない方も、本書の巻末に各スキルの概要を記載してありますので、安心してください。
未来予測の48項目は、近い未来から遠い未来に順に並べています。どこからお読みいただいても大丈夫なように書いていますが、いきなり遠い未来の話を読むと突飛な印象を受けてしまう可能性がありますので、できれば近い未来から時系列に読んでいただけると理解しやすいと思います。そして48項目をすべて読み終える頃には、それぞれの点が1本の線になって、ご自身でも未来のことが予測できるようになっているでしょう。
48項目はどうやって選んだのか
本書で予測している48項目は、適当に選んだわけではありません。僕のユーチューブにこれまでに寄せられたコメントに目を通し、質問が多かった項目を厳選したんです。つまり、本書は僕のユーチューブの視聴者の皆さんと一緒に作ったとも言えるんです。本来は100項目以上書きたかったけどページ数の関係で皆さんから要望の多かった48項目まで厳選しました。
さらに今回も前著に続いて本書をお買い上げの方にシークレット動画をあとがきの最後にQRコードでご用意しています。本書では書けないシークレット未来予測です。つまり合計49項目の未来予測になります。
そして本書に書かれている未来予測も、僕が1人で宇宙人や神様と交信して書き上げたという怪しい内容ではありません。既に世の中に公開されている様々な文献やデータを参考にして、予測した結果です。ですから、当然、既に多くある未来予測本と一致している内容も多くあります。ただ、文献やデータが見つからない部分については、フューチャリストとしての僕の主観が入っていることもご承知ください。
先に言い訳をしておきます(笑)けど、後半の(つまりより遠くの)未来になるほど、政府の政策や新たに作られる法律などによって大きく変動することもあります。
──あ、まえがきが言い訳で終わってしまいました(笑)。
では、一緒に未来を旅しましょう。あ、そうそう、それと本書ではフィリピンの話が度々出ますが、それは今僕がフィリピン在住で本書を執筆中だから、たとえ話を出しやすいためです。
【目次】














