この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は稲田将人さんの『 経営参謀 戦略プロフェッショナルの教科書 』。本書は「はじめに」がないため、代わって「文庫版あとがき」をお届けします。

【文庫版あとがき】

 本書は、「戦略参謀」シリーズの第二弾として執筆した『経営参謀』(ダイヤモンド社)に、大幅に加筆修正を加え、文庫化したものです。

 第一弾の『戦略参謀』は、企業改革の視点から、改革の現場において実際に起きたことをベースにしてエピソードを組み立てました。

 そして第二弾の本作『経営参謀』では、市場とのかい離が起きている低迷企業において、V字回復のために必要な、戦略立案とマーケティングの進め方、そして、その実践段階において多くの企業で起きる課題とその時に必要なトップの考え方と対応についてまとめました。

 この第二弾の単行本執筆の際は、第一弾『戦略参謀』が二冊分ほどの厚さになってしまったため、ボリュームが増え過ぎないようにして、読みやすさを優先させました。ところが『戦略参謀』が文庫版においても、その厚さにもかかわらず好評であったため、今回は思い切って、単行本の執筆時には展開のスピード感を考えて省いたいくつかのエピソードを復活させ、さらに安部野による語りなども、論点がより深くなるように加筆をしました。

 また単行本版では、実践段階での会議体の設計と立ち上げのエピソードをかなり短くしましたが、今回は、事業部内での機能部署の連動の考え方など実践において必要となる方法論を書き加えました。また、世に出回っているマーケティング論などがどうしても、頭で考えたフレームワークレベルの話が多いため、実務において行う際の、市場の実態に踏み込んで実際に戦略立案を行い、攻めどころを明らかにする実践的なマーケティングの進め方を記述してあります。

 また、ネット販売などの最新トレンドについても補足し、さらにV字回復が求められる局面で起きうる、生々しい組織の課題に直面した時に、経営層や参謀役が知っておくべきことについても加筆しました。

 結果、終盤における安部野と主人公の高山、そしてグローバルモードの社長、副社長とのやり取りは、かなりのボリュームになっています。

 企業改革やV字回復のための戦略の立案と実践などは、世の中の方すべてが経験しているような類(たぐい)の業務ではありません。そのため、必ずしもリアリティあるイメージが湧(わ)く話ばかりではないかもしれません。もし、読んでいて疲れを感じるようであれば、読み飛ばしていただき、後で何か困ったことに直面した時に、読み直していただければと思います。

 企業は本来、常に改革に取り組んでいるのがあるべき姿だと思います。改革やカイゼンの推進がまだ文化になっていない企業で、企業を変えようとする時の困難に直面した際に、本書が一助になれば幸いです。

稲田 将人

【目次】

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