仕事で成果を上げるためには、自分の価値を高めることが重要。Twitterフォロワー数12.5万人を誇るmotoこと戸塚俊介さんは、著書の『WORK 価値ある人材こそ生き残る』で自分の価値を高める70の考え方を紹介しています。その内容や反響について聞きました。今回は1回目。(聞き手は、日経BP編集者で同書担当の中野亜海)
本業でどう成果を出していくか
中野亜海・日経BP編集者(以下、中野) 今回は、 『WORK 価値ある人材こそ生き残る』 の著者であるmotoさんにお越しいただいています。ではmotoさん、自己紹介をお願いできますか。
戸塚俊介(以下、moto) moto株式会社とHIRED株式会社の代表を務めているmotoといいます。短大卒業後に入社したホームセンターからキャリアをスタートし、転職をするなかで自分の市場価値を上げてきました。その転職経験を基に立ち上げた転職メディアを売却し、代表取締役として現在に至ります。
中野 『WORK 価値ある人材こそ生き残る』の「はじめに」に、どういう転職をしても、どういう場所で働いても、会社員でもフリーランスでも、自分の価値を高めることが重要だと書かれています。本作を通してmotoさんが一番伝えたいことは、ここにあるのでしょうか。
moto そうですね。また、前作の 『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』 (扶桑社)では自分の転職経験や副業について書きましたが、その前提として、転職しても副業をしても、やはり本業で成果を出すことが一番問われるのではないかと考えていました。そこで本書では改めて、目の前の本業でどういう成果を出すことが大事なのか、というメッセージを伝えたいと思いました。
中野 つまり、自分の価値を高めるのには本業が一番いいということですか。
moto そうです。会社という場を通じて、仕事から得られる経験を自分の資産にしていく考え方が大事です。帯に「目の前の仕事に全力を尽くすことがあなただけの価値に変わる」とありますが、この言葉に尽きます。ただ仕事をやらされるのではなくて、自分で考え、自分の思考を介在させて取り組むことが、とても大切だと思っています。
仕事への取り組み方で将来が変わる
moto 取材をするなかで、目の前にある仕事をやること、創意工夫してそこにオリジナリティーを出していくことが全部自分の価値になっていくと聞いて、確かにその通りだなと思ったんです。
生きていく上で、働いている時間はとても長い。その時間をただ消化してしまうのか、それとも自分なりに脳みそに汗をかき、糧として積み上げていくのか。本当に自分次第です。今できることに全力を尽くして取り組んでいくことで、10年後、20年後の自分が変わっていくという視点を、多くの人に持っていただきたいですね。
中野 また、この本の見出しにある「仕事で活躍する人は自分の価値を提供している」という言葉を見ると、仕事のモチベーションが上がります。
moto Twitterを見ていても、そういう感想が多いんですよ。「読んでいると熱くなってきます」「仕事に対する考え方が変わりました」というコメントが多くて、すごくありがたいな、伝わってよかったなと思っています。
中野 motoさんのフォロワーは、働く意欲が高い人が多いですね。
moto きちんと考えて主体的に動いている人が多い印象です。僕のエッセンスをちょっと取り込むことで、自分のキャリアを変えていきたいという人が多そうです。
「自分の価値を提供できる人」とは
中野 本作の見出しに「仕事で活躍する人は自分の価値を提供している」とありますが、「仕事で活躍する人」とは、どのような人でしょうか。
moto まず前提として、会社の売り上げに対してどう貢献しているかとか、自分の目の前の仕事やお客さんに対して何をしているかなど、常に誰かのためを考えて動いていること。そのように真摯に仕事に取り組める人が、外から見たときに活躍しているように見えるのかなと思います。
また、小手先で器用に仕事をするというよりは、その仕事にその人が関わることで価値が生まれるという、介在価値を発揮していける人がいわゆる活躍している人なのではと思います。それで、自分の価値を提供している人が活躍しているという書き方にしたんですよ。
中野 なるほど。自分の価値を提供できている人は、自分がどういう仕事をしているかをちゃんと認識して方向も定めている人という感じがありますね。
moto ちゃんと軸があって、「自分のため」が、結局「会社のため」になるという重なりを見つけられた人が強いのではないでしょうか。
中野 確かに最強ですね。
構成/佐々木恵美