『ロジカルゴルフ』シリーズには、前編で紹介した『スコアアップの方程式』のほかに、実際のラウンドで上級者が必ずチェックしている15の項目を解説した『実戦ノート』、パッティング、アプローチ、バンカーショットを論理的に考え効率よくスコアを縮めていく『ショートゲームの思考術』、そして、インパクトからスイング部品(グリップ、スタンス、トップ、インパクト……)を管理していく上級者ならではの『スイングマネジメント』の4冊がある。
アベレージゴルファーの思いを実現
いかにしてスコアを良くするかに焦点を絞った『ロジカルゴルフ スコアアップの方程式』を前編で紹介した。スイングの改善を目指したゴルフ本が氾濫する中で、スコアを縮めたいという世のゴルファーの本当の思いが達成できると説いたこの本はヒットした。一介の無名のレッスンプロが書いた本が重版を重ね、編集部は驚いたようであるが、それがゴルフ本の面白いところである。
数あるスポーツの中で、ゴルフほど多くの人が実際にやっている大衆スポーツは他に例を見ない。ゴルフはやるスポーツの筆頭、ナンバーワンである。ゆえにゴルフ本は読者がゴルフをすること、つまりは上達を望むことを念頭に置いたものでなければヒットしない。この『ロジカルゴルフ スコアアップの方程式』は読むだけでそれを可能にしたことで、多くの読者に支持された。
コースで伸び伸びとショットを打つために
著者の尾林弘太郎プロは3万人以上のアマチュアゴルファーを指導してきて、そのことを十分に理解し、そのためにどう教えればいいかを日々模索してきた。彼はアベレージゴルファーのスコアをアップさせるため本当にすべきことを教えられるプロで、次に刊行したのがより詳しくコース攻略にスポットを当てた『ロジカルゴルフ 実戦ノート』である。
「ロジカルゴルフシリーズ」第2弾のこの本は、コースに出たときに考えなければならないことを集めた戦略ノートである。ゴルフはコースで行うものなので、コースで練習することができれば上達は早い。ところが日本では練習は練習場で行い、コースでは常に本番になってしまう。つまり、その場でのショットは1回しかできず、そのために緊張して体が動かず、ミスショットをしてしまう。本書ではそうした日本のゴルファーにどうすれば緊張を解いて、伸び伸びとショットが打てるか、そのための心構えや準備はどうするのか。そういった思考術を教えてくれる。
また、ナイスショットするためには打つ前にそのイメージをつかんでおかなければいけない。アベレージゴルファーはミスばかりが気になって、それがスイング時にも及んでいる。ならば、打つ前にミスの要素を解決してからアドレスを取ればよいと説いている。このようなラウンド中の考え方も大いに参考になるだろう。読者の一人が語っている。「自分のできることとできないことを判断して、できることだけをやる。それだけでスコアは大幅に縮む。それをこの本が教えてくれました」。
『ロジカルゴルフ』シリーズ第3弾は『ロジカルゴルフ ショートゲームの思考術』である。スコアメイクの鍵はアプローチとパット数と昔からいわれているが、尾林プロも同意見であり、その部分を徹底的に上達させようというのが本書である。しかもその部分の打数を少なくさせるのが目的だ。
尾林プロはスコアの付け方だけでも上達できると考え、「3分割記入法」を紹介している。これは1枚のスコアカードに合計打数とペナルティ数、SG数(ショートゲーム打数)とショット数を書くというもの。つまり4人のスコア記入の欄にこれらを書くことで自分の課題が明確になるわけだ。
そしてスコアのキモとなるのがSG数である。これはアプローチ(バンカーを含む)の打数とパット数を足したもの。この打数を54以内に縮めること。そうすれば自ずと90が切れるという。よってこの本はSG数を54以内にするための考え方を教えてくれるものである。
まずはインパクトにこだわる
『ロジカルゴルフ』シリーズ第4弾は『ロジカルゴルフ スイングマネジメント』である。第4弾で初めてスイングに絞って書いた尾林プロだが、内容はこれまで同様、いかにしてコース上で自分のスイングを行えるかにテーマを限定している。あくまでもスコアを良くするための実戦的なスイング技術論である。つまり、スイングの見てくれを良くするようなことは書かれておらず、いかにしてクラブコントロールができるかに焦点を絞っている。だからこそスイングマネジメントなのだ。
このためにはまずはインパクトにこだわる。つまり、打ったときのインパクトをしっかり把握する。そうして芯に当たるようにクラブを動かし、それが可能なように体を動かす、そのためのアドレスを作るという手順である。つまりこの手順こそが上級者のスイングマネジメントなのだ。スイングだけを考えているのなら、いつまでも「停滞ゴルファー」のままというわけである。本書はこの手順を習慣にするための具体的な指南書となっている。
上達を目指す読者には『ロジカルゴルフ』シリーズ4冊をすべて読破してほしいが、まずは1冊目の『ロジカルゴルフ スコアアップの方程式』を読み、尾林プロが言わんとする論理的なゴルフ思考を養ってほしい。つまりは、上級者の思考を理解すれば自然と上級者に近づけるということを分かっていただきたい。それこそが停滞ゴルファーから脱出するスタートだからである。
「ロジカルゴルフ」を実践して、男性ならば常に90が切れるゴルファーになれ。それこそが夢のシングルハンディキャップを実現する道なのだ。
『 ロジカルゴルフ スイングマネジメント 』
上級ゴルファーは100点のスイングを目指さない!スコアメイクにつながる99のポイントを解説。ゴルフを論理的に考え、どのようにすればスコアが縮まるのかを徹底的に分析、分かりやすいレッスンを構築した「ロジカルゴルフ」シリーズの1冊。
尾林弘太郎著/日本経済新聞出版/968円(税込み)





