家で竹の子をゆでるのはハードルが高いと敬遠する人が、とても増えています。でも、最初に皮をむいてしまうカツ代式なら、竹の子がぐんと扱いやすく。新刊『伝説の家庭料理家 小林カツ代のロジック』から抜粋します。
春から初夏にかけての一時季しか出回らない新竹の子。ゆでたての新竹の子の芳香と歯ざわりは、市販品のゆで竹の子では味わえません。ちょっと面倒でも、家でゆでれば、ゴールにはその労力と時間を上回る至福のおいしさが待っています。
でも、このごろ、家で竹の子をゆでるのはハードルが高いと敬遠する人が、とても増えています。
春だけの味覚をパスしてしまうのは、ホントもったいない。
「料理の本には、竹の子は皮ごとヌカを入れた水でゆでるのだ、これが正しい、と書いてあります。でも、皮ごとの竹の子が入るような大きな鍋がない、米ぬかを入れてゆでるといっても、米ぬかもない……やめておこう、となってしまうのでは。忙しいということもありますけどね」
そこで、ぜひ紹介したいのがカツ代式の竹の子のゆで方。ハードルがぐぐぐっと下がって、「今度の春にはゆでてみようかな!」という気になるものです。
「皮ごとゆでた竹の子の味、もちろんそれもよろし。けど、皮をむいてからゆでても味に変わりなし。そんなら最初から皮をむいてゆでた方が大きい鍋もいらないし、ゆでる湯も少なくてすみます。それに、皮は乾いたまま捨てたほうが軽くてずっと燃えやすい」

最初に皮をむいてしまうカツ代式なら、竹の子がぐんと扱いやすくなります。
「まず竹の子に包丁で縦にスパッと切り目を入れ、皮をクリクリとむき、最後の1~2枚は残します。最後の皮はゆで上がってからむくと、竹の子の形をくずさずにきれいにむけます」
まず竹の子全体がつかる鍋に、たっぷりの水と竹の子を入れる。
「米ぬかや赤唐辛子をエグミ取りのために加えるといいのですが、ぬかが手に入らなかったら、米のとぎ汁でゆでるか、ちょっともったいないけど、米をひと握り加えても」
鍋を火にかけ、煮立ったらふたをして弱火にして小さい竹の子なら1時間、大きければ2時間ほど煮る。
「途中でゆで汁が少なくなったら、何度でも水を足し、弱火で気長に煮るのがコツ。竹串を刺してみてススーッと通るようになったら、火を止め、ゆで汁につけたまま冷まします。完全に冷めたら竹の子を取り出し、たっぷりの水につけます」
ときどき水を替え、気温の高い日やすぐに使わないときは、水につけたまま冷蔵庫へ。冷たい水にひと晩さらすと最高の味に。風味と香りを損なわないためには、保存法に注意。
「密閉容器に入れ、つけてある水は毎日替えること。3~4日以内に使い切るのがおすすめです」
小林カツ代、本田明子著/日本経済新聞出版/1760円(税込み)
