「日経の本」の中で、高い人気を誇るジャンルの一つに「コンピューター書」があります。各種のWebサービスやプログラミングに注目が集まることもあって、日々の業務で役立てたい人、学生、教養を深めたい人にとって、コンピューター関連の書籍は手に取ることが多いもの。その中でも電子書籍は分厚くて重い紙の本とは違い、いつでも手軽に参照できるからか、他のジャンルの書籍に比べて人気があります。ここでは、2015年1月~2023年6月の8年半で最も人気の高いコンピューター書のランキングを紹介します。
コンピューター書の電子書籍ランキングには、古くから読み継がれてきた名著が数多く含まれています。ソフトウェア開発やコンピューターの仕組みを解説するものが多く、これからプログラミングを始めたい人、ITの知識を身に付けたい人にはどれもお薦めの書籍です。
それでは第10位から見ていきましょう。
第10位 『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』
第10位は、プログラマーが「より良い人生」を送るのに不可欠なスキル・ノウハウを71章にもわたって解説した本書です。出世する方法や独立する方法、自分を売り込む方法、技術習得法、生産性の高め方といった「仕事で成功する方法」を教えます。加えて本書がユニークなのは、財産の築き方、心身の鍛え方、恋愛成功法に至るまで、実生活では先輩から教えてもらいにくい「人生全般をより良く生きる方法」もバッチリ伝授することです。SNSでの売り込み方など内容をアップデートした第2版が2022年に出ています。
第9位 『教養としてのコンピューターサイエンス講義 今こそ知っておくべき「デジタル世界」の基礎知識』
私たちの身の回りには情報機器があふれています。このデジタル社会をよりよく生きるために、伝説の計算機科学者ブライアン・カーニハン先生によるコンピューター科学の講義を1冊にまとめた本書が第9位です。カーニハン先生がプリンストン大学の一般教養課程で教えている内容を網羅しているので、高校生や大学生がコンピューターとインターネットとアプリケーションの基礎知識を一通り身に付けるのに適しています。カーニハン先生は今なお精力的に執筆されており、2022年には第2版が出ています。
第8位 『ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』
MicrosoftやGoogleで世界標準の製品開発に携わってきた及川卓也氏が、あらゆるビジネスが「ソフトウェア中心」に刷新される今こそ必要な次世代型サービス開発の要諦を書き下ろした本書が8位になりました。「ソフトウェアが世界(あらゆる製品・サービス)を飲み込む」潮流が加速するなか、新たなソフトウェア開発のあり方とそれを実現する組織、さらにはキャリア形成にまで踏み込んだ「21世紀の開発論」を読まれてみてはいかがでしょう。
パタ&ヘネ本、Code Completeの2大名著が登場
第7位 『コンピュータの構成と設計 第5版 上・下電子合本版』
プロセッサの命令セットアーキテクチャである「RISC(reduced instruction set computer:)」の生みの親、パターソン&ヘネシーの代表作となるのが本書です。「パタ&へネ」の名で親しまれる古典的名著で、本書はその第5版となります。コンピュータ技術の初歩からモバイル/クラウド時代の最新のテーマまで深く解説しています。上巻400ページ、下巻392ページを1つにまとめた電子合本版が第7位にランクイン。なお、シリーズとしては、『コンピュータの構成と設計 MIPS Edition 第6版 上』『同 下』が2021年に出ています。第6版も上下合本版があります。
第6位 『Code Complete 第2版 下 完全なプログラミングを目指して』
ソフトウェア開発者必読のロングセラー。30年も前の1993年に原書の初版が発行され、この第2版は2005年に翻訳書が発行となっています。本ランキングの集計開始時である2015年時点で既に10年が経過しているにもかかわらず、その下巻が第6位にランクイン。下巻ではテストやデバッグの手法について解説しています。なお、本ランキングのさらに上位には、電子合本版や上巻が登場します。
第5位 『プログラムはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいプログラミングの基礎知識』
ソフトウエア芸人を自称するIT教育の達人、矢沢久雄さんの名著が第5位となりました。初版が発売されたのは2001年。プログラムがコンピュータの中でどのように動作するのかを「誰にでもわかるように」説明した本書で学んだプログラマーも多いことでしょう。ランクインしたのは2007年に発売された第2版ですが、「これからの10年も通用する基本」を本書で身に付けてもらうべく、14年ぶりに改訂した第3版が2021年に登場しています。
第4位 『【電子合本版】 Code Complete 第2版 完全なプログラミングを目指して』
第6位に入っている『Code Complete 第2版』の電子合本版です。ソフトウェア開発の方法論を網羅し、丁寧に解説した本書は、プログラマーを目指す人にとってのまさにバイブル。初版から30年も読み継がれてきた名著の改訂版が、上下巻セットでまとめて読めることで人気があります。
ベスト3にはオブジェクト指向はなぜ、Pythonのベストセラー
第3位 『オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版』
「なぜシリーズ」では、『プログラムは~』に続き本書が第3位にラインクイン。2011年に発売された第2版です。2000年以降、オブジェクト指向言語を使ったシステム開発が広がるとともに、2004年の本書初版以来、今どきのシステム開発技法を過去からの流れを踏まえて分かりやすく解き明かした1冊として愛読されています。こちらも2022年、人気言語(Java、Python、Ruby、JavaScript)の最新動向を盛り込んで改訂した第3版が出ています。
第2位 『Code Complete 第2版 上 完全なプログラミングを目指して』
プログラミングの解説書『Code Complete 第2版』。本ランキングでは、第6位に下巻、第4位に上下の電子合本版と来て、上巻が第2位にランクインしました。上巻では設計やプログラミングの手法について解説しています。2005年に出た本が、2015年~2023年集計のランキングで第2位、第4位、第6位に入るのは驚き。評価の高い名著である証しですね。これからプログラマーを目指す人はぜひご一読を。
第1位 『独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで』
第1位に輝いたのは、ご時世でしょうか、Pythonプログラミングを教える本書です。ゼロからプログラミングを学び、シリコンバレーですご腕開発者として活躍するに至った著者が、その経験に基づいて効率よくプログラマーになるためのスキルを伝授します。Pythonプログラミングの基本に加え、プログラマーとして必要な知識(シェル、正規表現、パッケージ管理、バージョン管理、データ構造、アルゴリズム、仕事の始め方・やり方)も一通り学べるのが特徴です。「プログラミングを始めたい」「その道でプロを目指したい」――そんな読者に継続して読まれています。
なお、20位までのランキングは以下の通りです。









