今年こそ仕事で成果を出したい、推進力を高めたい、スキルを磨きたい、視座の高い思考力を身に付けたい…。そんなバージョンアップを目指している人のために、おすすめの日経の本5冊を厳選して紹介します。

1. 『一流のリーダーが磨く 伝え上手 聞き上手のメソッド ヤフーの管理職1500人が学んだ極意』(日経BP)

寺下 薫著

 コロナ禍でコミュニケーションの主体はテキストコミュニケーションへと移行しました。対面でのコミュニケーション機会が激減し、コミュニケーション力の悪化。コロナ禍が明けて、再び、対面でのコミュニケーションが見直されましたが、「自信がなくなった」「やり方が分からなくなった」と感じている人も少なくありません。

 メンバーをまとめ、チームを率いるリーダーには、コミュニケーション力が欠かせません。 そこで、コミュニケーション力(コミュ力)を高めるために「伸ばしたいポイント」別に実践テクニックを伝授します。

 著者は、ヤフー(現在のLINEヤフー)やソフトバンクユニバーシティでの人材育成の経験を通して、コミュニケーションの達人の秘訣を研修などで教え、今や2年先まで予約がとれないという、人気コミュニケーションモンスター。

 本書ではまず、

  1. 言葉によるコミュ力を高めたい
  2. 言葉以外でコミュ力を高めたい
  3. プレゼン力を高めたい
  4. 1対1力を高めたい

の4タイプに分類し、さまざまな成功談や失敗談、クイズなどを交えて解説していきます。

 コミュ力を高めることができれば、職場や学校での人間関係が円滑になるだけではなく、あなたがやりたいことを実現したり、目標を達成したりすることにもつながります。

2. 『メモをとれば財産になる』(日経ビジネス人文庫)

Sonke Ahrens著、二木 夢子訳

 58冊の本と、数百本の論文という、大量の執筆をしたニクラス・ルーマンという社会学者がいます。彼の著作のクオリティーはずばぬけていて、専門分野以外でも古典的名著になっています。どうしてそんなことができたのか?――その答えは、彼が編み出したツェッテルカステンというメモ術にあります。

 ツェッテルカステンのすばらしいところは、自分オリジナルの考えが自然とたまっていくところ。「自分の言葉でメモをとる」など、いくつかのコツがありますが、そのおかげで、メモが独自の理論になっていくのです。それらは「ちょっとしたひらめき」などではなく、大きなアイデアになるので、本数冊分なども書こうと思えばラクラク書けるほどになります。

 しかも、アイデアだけではなく裏づけとなるデータも、メモの中にきちんとおさまっているので、アウトプットをするときに面倒なことも少なくなります。

 何か新しいアイデアを思いつきたいとき、ブレインストーミングをしたり、うんうんうなったりする必要はもうありません。メモを見ればいいだけ。この本には、トップクラスの学者、ビジネスパーソン、クリエイター、作家が使っているメモ術がたくさん紹介されています。真にクリエイティブになる方法をぜひ試してみてください。

  • 優秀な人ほど、新しいアイデアを生むのに苦労する理由
  • 優秀な人は、そもそも他人より扱う情報が多い
  • メモ術はシンプルなものがいちばん
  • 一日3枚のメモで十分、メモをとればとるほど財産に
  • メモには、「走り書き」と「文献メモ」と「清書」がある
  • 「メモ」はただ貯めておくだけだと意味がない
  • 「重要なメモ」と「重要ではないメモ」をきちんと区別する
  • 永久保存版のメモは「自分の言葉で書く」からこそ価値が出る
  • 「思い出す」ことは、理解していないとできない
  • メモには「なぜだろうか」という視点が大事

3. 『森岡毅 必勝の法則』(日経BP)

中山 玲子著

 再生の旗手、希代のマーケターとして知られる森岡毅氏の強さの根源を、日経ビジネス記者が徹底解剖しました。

  • 大きな挫折を経験した森岡氏はどのようにして立ち直ったのか。
  • 快進撃の背景にある、森岡氏率いる100人の異能集団「刀」とは?
  • リスクを取り、新たなビジネスモデルを生み続ける森岡氏と仲間たちによる挑戦の物語

 マーケティングだけでなく、森岡流の組織論やリーダー論も学べる1冊です。

 あらゆるテーマパークの再生、食品や外食の既存市場の成長など、マーケティングで結果を出し続ける森岡氏だが、そのすべてを一人で担っているわけではありません。森岡氏率いる精鋭集団「刀」の存在が背景にありました。森岡氏は仲間とどのような言葉を交わし、様々なプロジェクトで結果を残してきたのか。その息づかいを表現することで、森岡氏や彼が創った刀という組織の実態に迫ったのが本書です。

 一度挫折したプロジェクトも、停滞市場の事業だとしても、刀は諦めない。最後までやり切るための思考と独自の「数学マーケティング」で道を切り開く。そして、自らをでこぼこな性格という森岡氏の組織づくりは強みを生かす――。

 「その物件、その人、その文脈、すべての事象には特徴がある」(森岡氏)

 あらゆるものから強みを見いだし、組み合わせ、最強組織をつくる森岡流の組織論とは。事例を通して、森岡イズムを体得できる1冊。これを読めば、あなたもきっと前を向ける。すべてのビジネスパーソンに贈る、勇気の書です。

4. 『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』(日経ビジネス人文庫)

山崎 良兵著

 テスラCEOのイーロン・マスク、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ──。いずれもイノベーションを起こして「フォーブス」世界長者番付1位になった天才です。この3人は、実は猛烈な読書家でもありました。歴史、SF、科学、経済学…古典から最先端まで、本書では、3人が選んだ100冊のエッセンスを詳細に解説しています。

 著者は3人を直接取材したジャーナリスト。天才たちの素顔や知られざるエピソードを交えて、名著・良書の読みどころを丁寧に解説。まさに、“21世紀の教養”といえる100冊のエッセンスが学べる、最高のブックガイドです。

 全576ページの保存版、巻末には100冊の詳細はリストも掲載しています。自分が関心のあるテーマを選んで、どこからでも読み始められる構成です。

 学者、研究者、経営者たちもこぞって推薦する1冊。

  • ■一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建さん
    「読んでから読め――手っ取り早く本の内容を知るための要約本ではない。100冊の中から興味あるものを選び、じっくりと読んでほしい。良書との出会いを与えてくれる『ブックガイド』」
  • ■早稲田大学大学院経営管理研究科教授 入山章栄氏 推薦
    「ヤバい起業家ほど読書の鬼! この書籍リストは必見だ」
  • ■日比谷パーク法律事務所代表 弁護士 久保利英明氏 推薦
    「人類史や哲学書の読者たるべき第一線経営者への頂門の一針たる一冊」
  • ■ニコン社長 徳成旨亮氏(『CFO思考』著者) 推薦
    「若手社員に『天才読書』を読むことを薦めています。3人の中で自分が好きだと思う人の読書歴を見るだけでも勉強になります」
  • ■『東大読書』著者 西岡壱誠氏推薦
    「『頭がよくなりたい』って考えている人にとり、すごくプラスになる本。高校生や大学生にもおすすめです。この本で紹介されている100冊はどれも本質的で、『学ぼう』という意欲さえあれば、どこまででも学び取れることがあります」
  • リーダー論、経営論、行動経済学など、仕事に役立つ本が勢ぞろい
  • AI、データ解析、遺伝学、宇宙、人類史などの最先端の知見もカバー
  • 物理学、構造物、材料科学など、科学の本質に迫る本も目白押し
  • 天才たちの本棚をのぞくことで、天才の思考とアイデアの源泉に迫る
  • 絶望的な状況でどう生きるか。人生の指針になる本を紹介
  • 瞑想・マインドフルネス、記憶術、睡眠など、自己啓発の名著も

5. 『AIに任せる技術 業務別「共生」戦略』(日本経済新聞出版)

アバナード株式会社編

 いま多くの企業は生成AIの導入フェーズを終え、活用フェーズに移行しつつあります。私たちはどのように生成AIと向きあい、活用するべきでしょうか?

 本書は、営業、マーケティング、R&D、製造・物流、顧客管理、人事、情報システム、経営企画・経理財務など8部署50業務ごとの活用方法を徹底分析しています。

 部署ごとの業務をどの程度、生成AIに任せられるのか、「データ」と「ルール」の2軸で構成されたマトリクスに落とし込んで解説します。

 プロジェクトの進め方、費用対効果の測定方法、そしてERPやCRM、Copilotといった他のソリューションとの連携の可能性もカバーしています。

 これまでは「生成AIを導入すること」が目的とされてきました。今後は高いAIリテラシーを持ったビジネスユーザーが生成AIを活用して何を成し遂げられるか、そして最終的には個々の取り組みを包含・連携させ、企業のビジネスやオペレーションをどう変貌させるかを明確に打ち出し、生成AIを導入・活用していくことが求められます。

 生成AIを単なるツールで終わらせない、戦略的かつ計画的に活用できるようになるための要諦を示す一冊です。

    目次
  • 第1章 AIとの向き合い方
  • 第2章 営業
  • 第3章 マーケティング
  • 第4章 R&D
  • 第5章 製造・物流
  • 第6章 顧客管理
  • 第7章 人事
  • 第8章 情報システム
  • 第9章 経営企画・経理財務
  • 第10章 他のソリューションとの連携

 企業の中で生成AIをどう導入・活用していくか。特に何をAIに任せ、何を人が担うのかといった「共生」の指針や生成AIに関するプロジェクトの進め方と要諦を示すことで、企業が生成AIを使いこなし、ビジネスを成長させるための一助となることが本書の目的です。