テクノロジーの発展とともに注目されてきたIT業界。引く手あまたのITエンジニアという仕事はどんな仕事なのか。業界の最先端で起きていること、作り手であるエンジニアに大切な要素、プログラミングのスキル向上に役立つ知識、ITエンジニアの幸せな働き方とは…。IT業界やエンジニアの仕事に興味のある人におすすめの日経の本を5冊、紹介します。
1. 『創造する人の時代』(日経BP)
茶谷 公之著
いま、AIの時代といわれますが、AIにできない、人間だけが持つスキルは、「ものをつくること」。「何かをつくれる」人が生き残ります。どんなジャンルでも、どんな場所でも「ものをつくれる」人は強い。副業・転職・起業・・・と仕事に困ることはないでしょう。
本書の著者は、ソニー歴代プレイステーションの開発責任者の茶谷公之氏。「『ものをつくる目』で社会を見てみると、高齢化社会もAI社会もたくさんのビジネスチャンスが転がっている」と言います。
今はどんなジャンルでも、どんな場所でも、手軽に初期費用も少なく、誰でもものをつくれるようになっています。「ものをつくれる人」になるには、どうすればいいのか。まずは、陽気に妄想することから。本書ではそのノウハウを細かく紹介します。
- チャンスをつかむにはネアカであること
- 仲間は「つくる」には欠かせないインフラ
- 結局、その仕事を好きでたまらないかどうかが、一流かどうかを決める
- プロジェクトがうまくいくかどうかは、メンバーの「しつこさ」による
- すぐに役立たなくても、ストックしておく
- 雑談は、アイデアをブラッシュアップするための重要な要因
- ヒットはこれまでのものを「組み合わせ」てできる
- 高齢化の日本は、世界に高齢化商品を売るチャンスの塊
- つくれると、何歳でも起業のチャンスがある
2. 『生成AI 真の勝者』(日経BP)
島津 翔著
生成AIでもうかるのは誰なのか? 半導体はエヌビディアの一人勝ちが続くのか? AIが変える地政学って何? AIモデルやクラウドの勢力図はどうなる? 結局、日本企業の勝ち筋は何なのか??
生成AIブームで勃発した「5つの覇権争い」。その勢力図を正しく分析すれば、日本企業が金脈をつかむ勝ち筋が見えてくる。シリコンバレー駐在記者が革命の最前線を取材し、生成AIによって勃興した覇権争いを5つの領域に分け、その勢力図と知られざる勝者を描き、未来を予測します。
群雄割拠のAIモデル開発競争はどう帰結し、争奪戦が続くAI半導体にどんな死角があるのか。「ピック&ショベル」の代表格であるAI開発基盤の覇権を握るのは誰か。米中対立を背景とする「AI地政学」がどう変化するのか。本書は、生成AIに関するノウハウを提供するのではなく、有力プレーヤーの戦略や技術力、思惑などを通して新しい経済圏の未来を見通す試みとして書かれた1冊。「企業で生成AIを利用した事業企画やサービス開発に従事するビジネスパーソンがこのテクノロジーと正しく付き合う一助になると信じている」と著者は言います。生成AIで新規事業やサービス企画に関わるビジネスパーソン必読の本格書です。
- はじめに サクラメントの探鉱者
- 第1章[AIモデル] 「超知能」は誰の手に、AI乱世の帰結
- 第2章[AI半導体] 一人勝ちエヌビディア解剖、GPUの死角
- 第3章[プラットフォーム] クラウド競争軸一変、「3強」の明暗
- 第4章[国家間競争] 特許で中国圧倒、AI地政学を制する者
- 第5章[人類 vs. AI] AIゴールドラッシュの勝者と敗者
- [インタビュー] マサチューセッツ工科大学教授 石井裕氏
[インタビュー]『半導体戦争』著者 クリス・ミラー氏
[インタビュー]ラピダス社長 小池 淳義 氏
[コラム]生成AIはこう生かす、日本企業の勝ちパターンと課題 - おわりに 反転する価値
3. 『現役エンジニア&インフルエンサー セイト先生が教えるプログラミング入門』
堀口 セイト著
著者の堀口セイト氏は、YouTube登録者数10万人超のインフルエンサーであり、現役のエンジニア。「現代はプログラミングを学習するのに最も最適な時代」と著者は言います。その理由は、最良の学習環境と仕事に繋がりやすい市場が揃ったから。
プログラミングに関するスキルは、近年、非エンジニアのビジネスパーソンにとっても急激にニーズが高まっています。ChatGPTのようなAIツールが発達したことで、プログラミングの学習環境も飛躍的に向上しています。
本書では、効率的な学習法やコンピュータサイエンス、HTML、CSS、JavaScript、アプリケーション開発など、プログラミングにまつわるアレコレをわかりやすく解説。ChatGPTや、AI機能を有するIDEであるCursorなど、AIツールの取り入れ方も手厚くカバーしています。また、豊富に用意した演習問題を通して、アウトプットの経験を積むこともできるのも特徴です。
今や誰でも学べるプログラミングですが、著者は、プログラミング学習には2つ気をつけなければいけない点があると言います。1つは「プログラミングの最適な学習方法を知る」ということです。実はプログラミング学習者のうち、正しく学習できる人はほとんどいません。一般的な勉強方法とプログラミング分野の学習はお作法が大きく異なるからです。もう1つは、「必要な分野のみを順序立てて学習する」ということ。プログラミング学習を始めてみると、実に多くの情報があることに気づきます。何をどれだけ学んだらいいのか迷子になってしまう方は少なくありません。いかに順序立てて必要なものを学ぶか、またいかに学ばないことを決めて捨てるかが重要です。
そこで、初学者の方が最適な学習方法で、必要な分野だけを学び、最短ルートでプログラミングおよびそれに紐づく関連スキルを習得し、読了後に自身のキャリアに活かせるようになることをコンセプトに執筆したのが本書。初歩的なIT知識の座学に始まり、最後の章ではWebで動作するおみくじや日報管理のアプリケーションを開発してネット上に公開するまでを含む、実践的な内容です。
■試し読みしたい人は はじめに:『現役エンジニア&インフルエンサー セイト先生が教えるプログラミング入門』4. 『ITエンジニア働き方超大全 就職・転職からフリーランス、起業まで』(日経BP)
小野 歩著
本書は、これからITエンジニアを目指すなら必読の1冊。フリーランスや起業も視野に入れた、「IT業界の歩き方」を解説します。
人材不足がこの先もしばらく続くIT業界。ITとは直接関連しない分野や業界から、就職・転職を目指す人も多いでしょう。引く手あまたの業界で、自由な働き方もできそう。フリーランスで活躍する人もたくさんいます。技術のスペシャリストを目指すのも魅力的です。でも一方で、「デスマーチ」だったり「ブラック企業」だったり、よくない話を聞くのも確かです。いざITエンジニアになってから「こんなはずじゃなかった」とは思いたくないですよね。
ITの世界は思っているより広いもの。ITエンジニアの世界にはどういう職種があり、どんなキャリアパスがあり、どういう雇用形態や働き方があるのかを知っておく必要があります。自分がどの分野に強いエンジニアになりたいのかをイメージし、そこに向かって最適な道を突き進むのがベストです。
就職・転職にあたってどういう準備が必要か、何をすべきか(あるいは何をすべきではないか)。ITエンジニアになるための就職・転職支援を多数重ねてきた著者が、たくさんの実例から導き出した最適解を指南します。
本書では、多くの先輩の就職・転職やステップアップの実例を取り上げます。その具体的な事例の数々には、皆さんの将来のために役立つヒントが詰まっているはずです。
- 第1章 これだけある“ITエンジニアを選ぶ”理由
- 第2章 ITエンジニアのキャリアプラン
- 第3章 職種・キャリアパス・雇用形態を決める
- 第4章 ITエンジニアになるための準備
- 第5章 キャリアアップのケーススタディ
- 第6章 次のステップのケーススタディ
5. 『ぼく、SEやめて転職したほうがいいですか?』(日経BP)
左門 至峰著、冬乃 郁也イラスト
リアルな若手SEの苦悩と成長を小説で体験できるのがこの本。
後藤智彦、34歳主任、まじめで優秀だが不安いっぱいのシステムエンジニア(SE)。新技術の急速な進歩と変化、不確実なキャリアパス、そして自分の未来への疑問…。技術・キャリア・未来、ぜんぶ不安……。
大手メーカー系列の中堅システムインテグレーターでSEとして働く後藤智彦。しかし彼は12年働いた会社をやめようと決心していた。後輩に抜かれる昇進レース、生成AIのような画期的な新技術の出現、SEという彼の職業の未来への信頼が揺らいだからだ。
ある金曜日の夕方、後藤は退職願を懐に入れて上司のもとへ向かう。待ち受けていたのは、担当企業のシステムが大トラブルに見舞われたという連絡だった。上司の命で緊急対応に向かった彼はそこで、自分の運命を大きく変える男、五十嵐優一と出会う…。
本作は、一夜に渡るシステムトラブル対応の物語を通じて、コンピューター業界で働く若手ビジネスマンが抱える様々な課題に答えます。「ChatGPT」に代表される生成AIのような急速な技術進歩にどう対応すべきか、キャリアをどのように形成するか、昇進や転職成功の秘訣は何か、「稼ぐ」にはどうするか、そしてSEやIT業界には未来があるのか…。五十嵐が語る「37の鉄則」があなたの悩みに答えます。
キャリアや未来に悩む若手のビジネスパーソン、エンジニア必読の書です。
■試し読みしたい人は はじめに:『ぼく、SEやめて転職したほうがいいですか?』 ■連載39回分が読める 小説「ぼく、SEやめて転職したほうがいいですか?」




