成果を出し続けるリーダーは、3つのアクションに注力しています。それは「信頼関係を築き、人間関係の悩みを解消」「任せ方を磨き、マネジメントと育成を両立」「自走するチームを育て、持続的な成長と成果をもたらす」です。連載第3回は「任せ方」「自走するチーム」について、より詳しく。新刊『一流のマネジャー945人をAI分析してわかった できるリーダーの基本』(越川慎司著/日経BP)から抜粋・再構成してお届けします。

自走するチームの意外な共通点

 弊社が2024年に行った「自律型組織実態調査」(対象1256社)で意外な結果が判明しました。
 自走するチームの特徴は、想像とは少し違っていたのです。最も興味深いのは、高い成果を上げている自走するチームには、一見「逆説的」とも思える共通点があったのです。それが以下に挙げる5つです。

1 完璧を目指さない
2 失敗を隠さない
3 忙しいと感じない
4 「今ちょっといい?」が言える
5 「なぜ」を問い続ける

(写真:Suriyo/stock.adobe.com)
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人間の心理と結びつく「成長」の5要素

1 完璧を目指さない
 意外なことに、自走するチームは、「完璧な仕事」にこだわっていませんでした。むしろ、「まずはやってみる」という実験的な文化を持っていたのです。
 「あるIT企業のリーダーは、こう教えてくれました。
 以前は完璧を求めすぎて、メンバーが萎縮していました。
 でも『70点でいいから、まず動こう』と方針を変えたら、驚くほど主体的な行動が増えたんです」

2 失敗を隠さない
 自走するチームの89%が「失敗の共有」を日常的に行っていました。
 しかも、それはリーダーから始まっていたのです。
 たとえば、「先週の私の判断は間違っていました」「この方法はうまくいかなかったですね」といった共有です。
 こうした率直な失敗の共有が、チーム全体の自律性を高めていたのです。

3 忙しいと感じない
 高い自律性を持つチームほど、実は「余裕」を持って仕事をしていました。
 弊社の調査によると、「残業時間が少ない」「休暇取得率が高い」「会議時間が短い」にもかかわらず、生産性は平均の2・3倍という事実が明らかになりました。

4 「今ちょっといい?」が言える
 自律とは「ひとりで何でもすること」ではありません。むしろ、必要なときに適切に助けを求められることが、高い自律性の証だったのです。

5 「なぜ」を問い続ける
 自走するチームでは、「当たり前」を疑う文化が根づいていました。
 「なぜこの方法なのか」「この手順に意味はあるのか」という問いが、日常的に交わされる習慣となっていました。

(写真:Konstantin Yuganov/stock.adobe.com)
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 この5つは、チームの規模、業種・業態、メンバーの在籍年数に関係なく、共通して見られた特徴です。
 この5つの特徴は、下記のような人間の本質的な心理と深く結びついています。これらはすべて、人間の自然な成長を促す要素なのです。

● 完璧主義からの解放
● 失敗への寛容さ
● 適度な余裕
● 助け合いの文化
● 知的好奇心

今日からできる一歩を踏み出そう

(写真:ponta1414/stock.adobe.com)
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 自走するチームの共通点をまとめると、自走するチームを構成するために必要な3つの要件がわかりました。

1 実験と学習を繰り返すこと
2 必要な助けを求められること
3 適度な余裕を持って判断できること

 「完璧」への執着を少し手放し、「失敗」を少し受け入れ、チームに「余裕」をつくってみる。
 その小さな一歩が、自走するチームへの確かな一歩となります。

(写真:tadamichi/stock.adobe.com)
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成果を出し続けるリーダーの共通点は、自分で考え、動ける「自走するチーム」をつくること。本書では、そのために欠かせない「信頼関係の築き方」と「任せ方」をわかりやすく解説します。さらに、「メンバーとのすれ違いをどう解消するか」「業務が忙しすぎて、マネジメントや育成の時間が確保できない」といった、多くのリーダーが抱える課題への具体的な改善策も紹介。リーダーとして成果を上げ続けたい人、必読の1冊です。

越川慎司著/日経BP/1980円(税込み)