Excelを使えることが、ビジネスパーソンに不可欠のスキルであることは誰もが感じていることでしょう。しかしながら、「Excelの基本的な使い方は知っているけれど、それをビジネスの実務に応用できていない」という人も少なくないようです。このコラムは『 逆引き!Excel実務ワザ大全 』(日経PC21編、日経BP)の中から、ビジネスの現場で役立つ実践テクニックを紹介します。今回は「重複データ」を素早く洗い出す方法です。
【目次】
逆引き!Excel実務ワザ大全
第1回 Excelで名簿の「重複データ」を素早く洗い出す。誤削除も防止
名簿などで、同じ人物を2回入力してしまうことがある。こうした“重複データ”があると、データの集計などに不都合が生じる。余計なデータは削除してきれいにしておきたい。ただし、同姓同名の人がいるかもしれないので、名前だけを見て安易に削除するのは禁物。重複データの確認と削除は、意外と頭が痛い問題だ。
Excelでは、「データ」タブの「データツール」グループにある「重複の削除」機能を使うことで、重複データを自動で削除できる。しかし、「いきなり削除すると、本当は別人のデータを誤って削除しないか心配だ」という人もいるだろう。そこで、重複の疑いがあるデータだけをピックアップして並べ、目視で確認できるようにするテクニックを紹介しよう(図1)。
重複セルに色を付け、絞り込む
利用するのは、「ホーム」タブにある「条件付き書式」と「フィルター」の機能だ。まずは、「名前」列だけを選択して「条件付き書式」のメニューで「セルの強調表示ルール」→「重複する値」とたどり、重複する名前に色を付ける(図2)。すると同姓同名のデータが目立つようにはなるが、これだけでは離れた位置にあるデータを見比べるのはかなり苦労する。
そこで、色を付けた同姓同名のデータだけを抽出するために、フィルター機能を使う。フィルター機能には実は、セルの「色」を基にデータを絞り込む機能もあるのだ。「並べ替えとフィルター」ボタンのメニューにある「フィルター」を選び、表示された「名前」セルの「▼」ボタンで、「色フィルター」を選ぼう(図3、図4)。「条件付き書式」で付けられた色を選ぶと、その色に塗られたデータだけを抽出できる。さらに「昇順」などで並べ替えれば、図1右下のように、重複データが連続するように一覧表示され、効率良く見比べられるようになる。
『 逆引き!Excel実務ワザ大全 』
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