『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)では、著者の藤吉豊さん、小川真理子さんが時間術について書かれた100冊の名著を精読。重要なポイントを抽出し、「掲載されていた冊数」が多い順にランキング形式で紹介しています。1位から40位まで、「自分にとって役に立ちそう」と思う項目から読んでいただければと考えていますが、なかには「1~40位の項目を、もっと効率的に読みたい」「自分の悩みに直結するヒントだけを知りたい」という超タイパ思考の方もいるかもしれません。本連載では多くの人が抱えがちな「時間」に関する悩みに対して、本書の40のポイントから、その解決に向けたご提案をしていきます。2回目は、計画的に物事を進めるコツと、焦りからくるミスの防ぎ方です。

締め切りは「守ればいい」というものではない

悩み
計画性がなく、締め切り前にいつもバタバタしてしまうのを改善したいです。

 「夏休みの宿題」への取り組み方は、「計画的に進める派」「最初に全部終わらせる派」「最終日付近で、一気に片づける派」などに分かれるそうです。「新学期(締め切り)までに、宿題を終わらせた」という点ではどの進め方も変わりありませんが、締め切りに追われ、「とにかく終わらせること」が目的になってしまうと、なかなか身につかず、「やっつけ仕事」にもなりがちです。

 日々の仕事も、旅行準備などのプライベートも同様です。目の前の期限に追われて「とりあえず期限を守る」よりも、計画的に段取りよく進めるほうが、質を高めていくことができます。

 なお、文章中に登場する「ゴールを起点に考える(3位)」などの表記は、『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の各項目に対応しています。詳細を知りたい方は、書籍該当ページを参照してください。

計画力・段取り力を高める4つのポイント

 今回のランキングに登場した、計画力や段取り力を高めるポイントは、下記の通りです。

●ゴールを起点に考える(3位)
 「今」を起点にタスクにかかる時間を積み上げていく「積み上げ思考」には、
「小さな成長を積み重ねられる」
「現状のまま進んだ場合の未来を予測しやすい」
といったメリットがある一方、
「ゴールが定まっていないため、時間がかかりすぎる」
「目の前にあることを手当たり次第に片づけるため、重要度が考慮されない」
「目標までのプロセスを把握せずに行動するため、ムダなプロセスを踏んでしまう」
「中長期的な成長が見込めない」
といったデメリットが際立っています。
 時間管理は、ゴール(目標)から必要なプロセスを遡って計画していく「逆算思考」を基本にしましょう。
●「何にどれくらい時間を使っているか」を把握する(12位)
 自分が何にどれくらいの時間を使っているかを把握することで、時間の使い方を改善していくことができます。
●取りかかる前に作業時間を見積もる(32位)
 必要な作業時間を見積もらなかったり、時間の見積もりが甘ければ、「締め切りに間に合わない」事態が発生してしまいます。
●まず「全体像」を描く(36位)
 全体像を把握し意識することで、優先順位をつけやすくなる、時間配分の目安がつかみやすい、先に起こるリスクを予想しやすいなどのメリットがあります。

「急いでうまくいくとき」と「焦って失敗するとき」、その違いは?

悩み
やるべきことがたくさんあると、焦ってミスばかりしてしまいます。

 「やるべきことがたくさんある」という状態のときでも、焦ってしまうときもあれば、焦らずに落ち着いてできるときもあります。その違いはどこにあるのでしょうか。

 まず考えられるのは、「計画性」です。

 計画の中でやるべきことがたくさんある場合、「今は大変だけど、ここを頑張れば、次の段階に進めるはずだ」と見通しが立ち、焦りにくくなります。焦って手につかない場合、まずは計画に目を向けましょう。

 計画に無理があるなど、それでも焦ってしまうこともあるでしょう。焦っているときこそ、目の前のことにひとつひとつ集中して、取り組んでいくことが大切です。

●大事なことほど「朝」にやる(4位)
 時間術の著者の多くが、「朝目覚めてからの2、3時間(著者によっては3、4時間)は脳が活発に働く」と述べていて、この時間帯を「ゴールデンタイム」と呼んでいます。朝の時間の上手な活用が、人生充実のカギといえます。
●マルチタスクはしない(17位)
 脳科学的にいえば、「人の脳はひとつのことしかできない」ため、そもそも人間には厳密な意味でのマルチタスク(同時並行)はできないそうです。同時に見えても、短時間にタスクを切り替えているだけ。切り替える分、ムダな時間が生まれてしまいます。
●集中できる環境をつくる(26位)
 環境を変えると、集中力も変わります。作業内容に合わせて複数の場所を使い分け、集中力を持続させましょう。

 また、とりあえずやるべきことをToDoリスト化すれば、作業の間は「やるべきことリスト」を頭から追い出すことができ、さらに集中しやすくなります[13位 ToDoリストは活用法が命]。

一流ほど、コンディションを整える理由

 理由のわからない焦りの背後に、コンディション不良が隠れていることがあります。体調が悪かったり、疲労が溜まっていたり、睡眠不足だったりといった悪いコンディションが、処理能力に影響を与え、思うようにはかどらない結果としての焦り、というパターンです。

 時間術の名著100冊に登場したコンディションを整えるためのポイントは、以下の4点です。

●休憩時間や休暇は「先に」スケジュールに組み込む(16位)
 「休む=サボる・悪いこと」のように考えられがちですが、時間術の名著は例外なく「休憩時間や休暇を取ること、大切にすること」を推奨しています。
●睡眠時間は絶対に削らない(18位)
 睡眠を削ると、パフォーマンスが下がる以外にも、ストレスが溜まったり、過食に走りやすくなるなどのデメリットがあります。
●午後のスタミナ切れは昼寝で防ぐ(22位)
 眠気を感じながら作業を続けると、効率が下がります。眠くなったら我慢せずに昼寝をしましょう。
●心身の健康が結局すべての基本(39位)
 どんなに時間があっても、お金があっても、心身の健康に不安を抱えていたり、痛みや体調不良で悩んでいては、豊かな人生を送ることが難しくなってしまいます。

 「なぜかうまくいかない」というときこそ、一度自分自身の心身の健康状態を見直してみることです。万が一、不調が見つかった場合には、なるべく早く手を打つこと。失ってから取り戻すよりも、失う前に立て直すほうがいい、というのはいうまでもありません。

(写真:bephoto/stock.adobe.com)
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シリーズ25万部突破! 100冊分の重要ノウハウを1冊にまとめました。数多くの時間術のベストセラーの著者たちは、「時間は命そのもの」と述べています。時間について学ぶのは、命について学ぶのと同じ。時間をムダにするのは、命をムダにするのと同じです。効率化やスピード化、段取りなどの「ノウハウとしての時間術」と限りある人生の一瞬一瞬に集中して「今を大切に生きるための時間術」を、あなたも身につけてみませんか?

藤吉豊、小川真理子(著)、日経BP、1760円(税込み)