「やらなくちゃいけないことに追われて忙しすぎる」「要領が悪くて残業ばかり」「計画性がなく、締め切り前にバタバタ」「人生の時間を浪費している気がする」など、「時間」について悩んでいる方はいませんか? 時間の使い方がうまい人には、実は共通点があると、時間術のベストセラー100冊を精読した藤吉豊さん、小川真理子さんは指摘します。新刊『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)で紹介している時間を有効活用するコツの中から、多くの時間術の達人がお薦めしている、今すぐ使える「時間管理ツール」を紹介します。今回は、「行動記録表」です。
「何にどのくらい時間を使っているか」あなたは把握していますか?
新刊『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』では、100冊の時間術の名著から、重要なポイントを洗い出し、紹介している冊数が多かった順にランキングで紹介しています。
12位には、「『何にどのくらい時間を使っているか』を把握する」がランクインしていました。「家計簿をつけるように時間の記録をつける」「タイムログ(自分の作業時間の記録)をつける」「自分の時間の使い方を検証する」など、時間術の著者の多くが、自分が何にどれくらいの時間を使っているかを把握することを薦めています。
なぜ、自分の作業時間を記録したほうがいいのでしょうか。時間術の名著では、次の8つのメリットを挙げています。
- 自分の生活の中で「生産性の低いこと」「やめるべきこと」が分かる。
- 家計簿をつけるとお金のムダが分かるように、自分の作業時間をつけると時間のムダが分かる。
- タスクにかかる時間の見積もりの誤差が少なくなる。
- 自分が何に対して幸せを感じているかが分かる。
- 仕事のオーバーフローを減らせる。
- 自分でも気づかなかった習慣やクセが分かる。
- 成績がアップする。
- 自分の行動を観察、記録することで行動が変化する。
広く知られているダイエット法に、「レコーディングダイエット」があります。このダイエット法は、自分が食べたものを、ただ記録していくだけで痩せるとして、話題になりました。記録することによって、自分が思った以上に食べていることを認識することができ、行動が変わるためとされています。
自分がどのように行動しているのかを観察し、記録するだけで、行動が変わる。食べたものだけではなく、時間の使い方も同様です。
「自分の時間の使い方」を正しく把握する方法
自分の時間の使い方を記録するために役立つのが、「行動記録表」です。
さっそく、この表を埋めていく形で、「自分がいつ、何を、どのくらいの時間をかけて行っているのか」を記録していきましょう。
その際、重要なのは、1日の終わりに、
のようにまとめて記録はしないこと。時計やストップウオッチを使って、その都度、具体的に、正確な時間を記録していきます。
このように記録することで初めて、「自分の実際の時間の使い方」を正確に把握することができます。試していただけると、おそらく、自分が思っていた時間の使い方とは違う実態が明らかになるでしょう。
なお、このフォーマットは、朝6時から深夜0時までの活動時間をすべて書き出すタイプです。活動時間をすべて記録することで、仕事とプライベートのバランスも把握することができます。プライベートの時間と仕事の時間を色分けすると、バランスを分かりやすく把握できるでしょう。
仕事中の時間の使い方だけを把握できれば十分という場合には、下図のように、始業時間から終業時間までをピックアップして使ってください。
タスクに時間がかかりすぎていると感じる場合は、タスクをさらに細分化して時間を計ると、課題がより明確になります。例えば、資料作成に2時間がかかった場合、「資料作成2時間」と記録するのではなく、「参考資料を探す時間30分+参考資料を読む時間30分+グラフ作成の時間40分+テキスト作成の時間20分」と書いていきます。
記録の「振り返り方」で行動の変化度合いが変わる
まずは4週間、難しい場合には3日でも、とにかく行動を記録できたら、自分の行動記録表を見直してみましょう。すると、必ずといっていいほど見つかるのが、「想定していたよりも、時間がかかりすぎているタスク」と「何に使ったかがはっきりとは分からない時間」です。
前者については、重要なタスクであれば、今後、類似するタスクが発生した場合の見積もり時間を増やす必要があるでしょう。重要なタスクでなければ、断れるものは断る、時間のあるときに先送りするなどする必要があります。
このように、タスクの重要性と所要時間を考えることで、「やることが多すぎて回らない状態」を回避できるはずです。
「何に使ったかがはっきりとは分からない時間」がある場合には、さらに自分の行動観察を続けることが必要ですが、まずはスマホのスクリーンタイム(利用時間などを確認したり、アプリの利用を制限する機能)を確認してみると、意外な発見があるかもしれません。
24時間の行動の記録を取るというと、面倒だと思う人もいるかもしれません。しかし、豊かに生きていく上で、自分の時間の使い方の検証は大切です。
藤吉豊、小川真理子(著)、日経BP、1760円(税込み)



