あなたは投資をしていますか? その内容についてはどのくらい分かっていますか? 元ファンドマネージャーの安藤真由美さんは、「投資は賭け事ではない。しかし、何も知識がなくて投資をすることは、賭け事と同じになってしまう」と言います。新刊『 お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について 』から抜粋して、紹介します。
あなたは本当に自分が望む人生を生きていますか?
これまで、たくさんの方の家計や投資の様子を拝見してきました。その人のお金の使い方を見ると、その人がどう生きているか分かってきます。「この人はこういうことに価値をおくんだな」とか「こういう性格をしているんだな」などが見えてきます。お金の使い方からその人の生き方が見えてくるのです。
お金と生き方は、切っても切り離せません。しかし、現代社会に生きる私たちは、忙しかったり疲れていたりして、目の前のことをこなすのが精いっぱいです。一度立ちどまってお金のこと全体を俯瞰(ふかん)したり、将来を見据えて考える余裕などありません。たとえば、不安を抱えているのに、お金の管理をまったくしていない方も相当数いらっしゃいます。
自分の人生の舵を他人に渡してはいけない
お金に関して行動はしているけれど、はやりの方法をまねたり、周囲からすすめられるままに家計管理や資産運用をしている方も多くいます。意外とありがちなのが、銀行ですすめられて投資信託を買ったけれど、結局損をして困っているという相談です。
安心して暮らせるよう節約を心がけ、できる限りのことをしてきたはずなのに資産が減ることは誰しも避けたいはずです。最も驚いた相談に、退職金をほぼ全額(!)ひとつの投資信託に投資しているという方もいました。
その方に質問してみると、投資信託のしくみやリスクについて把握しておらず、右肩上がりだったときの実績を見せられ、このままなら倍増しそうと感じて購入したことが分かりました。
ほかにも、よく確認せずにFX(外国為替証拠金取引)に手を出したり、仕組債を購入している方もいました。FXや仕組債は、構造が複雑で、プロでも大きな損を出すこともあるものです。
分からないまま手を出すのは危険です。家計管理に一生懸命取り組んでいたとしても、これではもったいないばかりか危ないです。
投資は、「賭け事」ではありません。お金については「自分が理解していないもの」に手を出すことは絶対にやめましょう。投資する対象について知識がないのにお金を投じてしまった時点で、賭け事と同じになってしまいます。お金に関して他人の情報をうのみにしたり、誰かに任せてしまうことは、避けるべきことです。
自分の人生の舵(かじ)を他人に渡してはいけません。私たちは誰もが、自分にとって大切な価値観やゆずれない思いを心の中に抱いて生きています。それらが満たされるとき、心地よさや安心感を得られます。
それは、お金でもそうです。しかし実際には、お金に関して納得感のある「自分らしい」お金とのつきあい方ができている方はとても少ないです。これは、お金の情報が複雑になっている現代では特に難しいことではあります。
「自分らしさ」を何より大切にする
>それでは、自分の望む人生とは何でしょうか。「望む人生があって、絶対その通りに生きたいです!」という方から、「自分が人生に何を望んでいるのかよく分かりません」という方まで、さまざまな人がいます。
「自分らしさ」とはどういうことでしょうか。辞書では、「偽ったり取りつくろったりしていない本来の自分のありよう、ありのままの姿」(実用日本語表現辞典より)と定義されています。
私としては、「自分にとって大切な価値観やゆずれない思いに耳を傾けながら、自分自身が心地よくいられる選択を続ける姿」を意味する言葉ととらえています。私たちの人生は一度しかありません。そして、その人生はみんな、それぞれ異なっています。趣味や仕事も、住んでいる場所も、必ずしも一緒ではありません。誰かがいいと思ったことが、自分にとっていいかどうかも分かりません。
自分らしくあるために、まずは、目の前のことを自分で考え、判断してみてください。それを続けることで、誰のものでもない自分の人生を、あなたの理想に近づけていくことができます。自分の人生を生き切るためには、「自分らしさ」が何より大切であることを決して忘れないでください。
お金は、自分を輝かせるためのただの道具です。あなたの人生はあなたが主役で、お金に主役の座を譲りわたしてはいけません。
この本では、「貯金」「働く」「投資」の3つの側面から、元一流ファンドマネージャーがわかりやすく解説します。「一銀行に1000万円以上預けると、銀行が倒産したときに返ってこない可能性がある」「副業の方法」「目論見書のどこをどう読めばいいのか」など、本書は読めばお金に強くなり、苦手意識もなくなる内容をたくさんつめこみました。楽しみながら、お金の知識を増やしましょう。
安藤真由美著、日経BP、1760円(税込み)


