内容紹介
学者やアナリストら統計のプロ、そしてマスコミも見落とす「落とし穴」とは?数字の読み方が劇的に変わる
「最近の若い人は内向き志向で海外旅行に興味がない」これ、ウソです。統計調査やアンケートの結果は、そのまま受け止めると実態とズレが生じてしまいます。
日本からの海外渡航者に占める20代の比率が大きく下がっている。これは事実。しかし20代の人口そのものが少子化で大きく減っているのだから、20代の渡航者も減るのは当然です。20代の中で渡航者の割合をみると、80年代後半のバブル期の20代よりも上回っています。「若者の海外旅行離れ」はかなり無理がある。ウソと言っていいでしょう。
「若者の○○離れ」と言われているものの多くが、実は離れていなかったり、離れはしたが他世代も同様に離れていたりします。そして若者に限らず、こうしたイメージだけでレッテルを張っている例が随所に見られます。
いわゆる「統計にダマされない」系の類書は、「数字で一般人をダマして買わせようとする悪い大人がいるから、惑わされないようにしよう」という趣旨ですが、実際のところ、学者やアナリストら統計のプロらも意図せず検証を欠いたデータを公表し、それをメディアが無批判にニュースとして報じることで、おかしな数字が悪意なくニュース視聴者・閲覧者に届いてしまっているのが実情です。
本書ではそうした具体的な事例をケースに分けて紹介し、違った角度からの見方を提示しました。
これって、ホント?ウソ?
◆消費不況の元凶は、モノを欲しがらない若者のせい?
◆内向き志向の若者急増で「海外旅行」に興味ナシ?
◆「キレる若者」が急増しているのは教育が悪いからか?
◆禁酒すると早死にする?朝食を食べると頭が良くなる?
◆英語教師のTOEICスコアが高いと生徒の成績が上がる?
◆「使えない人材」を輩出するワースト1位は○○大学?
◆保育園の建設に反対しているのは中高年の頑固オヤジ?