内容紹介
どん底でも必ずチャンスはある渋沢も、三菱、三井、住友を興した起業家たちも、
情熱と知恵で逆境を越えた!
本書には、目次にない主要人物「小栗上野介忠順」を加えると、十一人の企業創業・継承者が登場する。
読者の中には、「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)の現代、明治・大正・
昭和の経営者に、何をいまさら、と学ぶ意義を見出せない方がいるかもしれない。
が、歴史はくり返す--なぜならば、人が生きていくうえでの原理・原則は変わらないからだ。
「DX」はデジタルとリアルの融合でしかない。生身の人間が根本であるかぎり、
失敗の本質において、過去も現在も未来も変わることはない。
変化するのは、これまで物質的な豊かさを追い求めてきたものが、これからは安全と幸福を
目指す方向に、大きく軸足を移そうとするだけのことである。
おそらくこれから先、大きく伸びるビジネスのヒントも、ここにあるに違いない。
ぜひ、産業立国日本を築いたほどの人々でも、最善をつくながらやってしまった失敗、
遭遇してしまった唐突な苦難に、読者ご自身を想定しつつ、その危機突破力、脱出方法、
逆転の方策を学んでいただけたならば、これにすぎたる喜びはない。
(「はじめに」より)
≪主な内容≫
第一章 胆力
・否定的思考を肯定的思考に変えて“日本資本主義の父”となった
渋沢栄一
・確率の高い経営をつづけ財閥を築いた
安田善次郎
・コペルニクス的な発想の転換ができた日本のセメント王
浅野総一郎
・無学で不器用でも、時運を待ち財閥を興した
古河市兵衛
第二章 危機管理力
・人心収攬の能力で時代を乗り切り“三井”を立て直した
三野村利左衛門
・基盤を守って明治の“住友”を築いた
広瀬宰平
・“住友”の全社員が仰ぎみた、長期的視野をもつ将帥
伊庭貞剛
・生命か利益か、で勝ちつづけ、財閥を築いた
大倉喜八郎
第三章 先見力
・未来構想を仕入れて具体化した地下浪人の子
岩崎弥太郎
・負の遺産を受け継ぎながら世界の潮流を読み“三菱”を再編した
岩崎弥之助