内容紹介

あなたの会社があることで、世界はよりよくなっているのだろうか?

■今、多くの企業が、二酸化炭素排出の大幅削減や「ネットゼロ(オフセットなどを含めて差し引きゼロ)」を目標に掲げています。しかし、著者のポール・ポルマンは、気候変動や人権など今世界が置かれている状況を考えるとまったく不十分だと言います。企業は二酸化炭素排出だけでなく、環境や社会に及ぼすあらゆる悪い影響を減らし、最終的に世界に与える「良い影響」が「悪い影響」を大きく上回る「ネットポジティブ」にする必要があると主張します。

■キーとなる質問は、「あなたの会社があることで、世界はよりよくなっているのだろうか?」

■しかも、「ネットポジティブ経営」と企業業績の間には強い相関関係があります。長期的な視点で、事業を通じてさまざまな社会課題に向き合うことで、企業には大きなビジネスチャンスが生まれます。課題はどれも大きく自社だけでは手に負えません。解決には、自社だけでなくほかの企業やNPO・NGO、政府機関などとの協業が必要であり、結果的には他者に尽くすことによって自社にも多大な利益を得ることができます。企業は「問題をつくりだして利益を得る」のではなく、「問題を解決して利益を得るべき」であり、本書ではその具体的な方法を、ネットポジティブ経営を実践しているユニリーバをはじめとするサステナビリティ先進企業の経営をつうじて、詳細を丁寧に解説します。

■サティア・ナデラ(マイクロソフトCEO)、リチャード・ブランソン(ヴァージングループ創業者)、マーク・ベニオフ(セールスフォースCEO)、イェスパー・ブローディン(イケアCEO)、ケン・フレージャー(メルクCEO)など世界の著名経営者が絶賛!

■目次
はじめに なぜマヨネーズはケチャップに勝ったのか?──敵対的買収が語る物語
第1章 壊したら責任をとっていただきます──ネットポジティブ企業の重要原則
第2章 目配りは十分か?──勇気あるネットポジティブなリーダーになる
第3章 会社の魂を解き放つ──組織と社員のパーパスやパッションを見いだす
第4章 限界を打ち破る──大きく考え、野心的でネットポジティブな目標を設定する
第5章 オープンであれ──信頼を築き、透明性を確保する
第6章 1+1=11を目指す──相乗効果のあるパートナーシップを築く
第7章 タンゴは3人で──システム全体のリセットと、ネットポジティブなアドボカシー
第8章 象を受け入れる──誰も話題にしたがらないが避けられない問題に取り組む
第9章 文化は接着剤──組織とブランドに価値観を浸透させ、行動に移す
第10章 ネットポジティブな世界──間近に控える大きな課題と機会を見通す