内容紹介

約30年間にわたって低成長が続く日本。少子高齢化と人口減少が加速する中、もはや日本は成長できないと悲観する人も多い。
そんな悲観論を「決してそんなことはない」と否定するのが、本書の著者であるデロイト トーマツ グループだ。
鍵となるコンセプトは「価値循環」。あらゆるリソースを循環させ、日本で増える機会に着目することで需要を生み出すシナリオを新たに提示する。
「失われた30年」という言葉は、そろそろ終わりにしよう──。
世界に先駆けた「22世紀型」成長モデルに日本を導く1冊。

目次:
はじめに

第1章 変われなければ日本は沈む 求められる「発想の転換」
  低成長の背後にある「人口減少」
  「将来不安」が引き起こす長期停滞
  長期停滞を抜け出せない日本経済の構造的な課題
  「人口減少下の成長」に求められる発想の転換

第2章 価値循環がもたらす成長のダイナミズム
  今こそ「循環」が必要な理由
  回転と蓄積で価値を生み出す
  循環させるべき「4つのリソース」
  新たな需要を生み出す「4つの機会」
  「価値循環」をマトリクスで考える
 ◇アカデミアと議論する価値循環(1)慶應義塾大学・白坂成功氏×デロイト トーマツ・松江英夫 循環のデザインがビジネスの主戦場に

第3章 持続的成長を可能にする4つのリソースの循環
 ◆「ヒト」の循環
  1 交流型人材循環
  2 回遊型人材循環
  3 グローバル型頭脳循環
 ◆「モノ」の循環
  1 リペア・リユース・アップサイクル
  2 地域集中型資源循環
 ◆「データ」の循環
  1 個客志向マーケティング
  2 デマンドチェーンの構築
  3 地域コミュニティーの活性化
 ◇専門家の視点(1)ウエアラブル端末が健康データ流通促す
 ◆「カネ」の循環
  1 社会課題解決型投資
  2 スタートアップ投資
 ◇専門家の視点(2)「無形資産」を活用してカネを動かす仕組み
 ◇専門家の視点(3)気候変動対策の経済効果はプラス? マイナス?

第4章 発想の転換が呼び込む4つの機会
 ◆グローバル成長との連動
  1 海外のカネやヒトの取り込み
  2 インバウンドのアウトバウンド化
  3 課題先進国のソリューション輸出
 ◆リアル空間の活用・再発見
  1 世界有数の海洋資源の開拓
  2 国土の過半を占める森林の活用
  3 広がる宇宙空間関連の多様なビジネス展開
 ◆仮想空間の拡大
  1 新しい経済活動の広がり
  2 新しいコミュニティーの広がり
  3 新しい労働の可能性の広がり
 ◇専門家の視点(4)メタバースの発展、アジアが支える
 ◆時間の蓄積が生み出す資産
  1地域特有の「宝」×他ジャンルのアイデア
  2健康寿命×グローバル研究開発
  3熟練技能者の知見・経験×テクノロジー
 ◇アカデミアと議論する価値循環(2)早稲田大学・入山章栄氏×デロイト トーマツ・松江英夫 人間の本性である「循環」を今こそ取り戻せ

第5章 日本を動かす10の需要創出シナリオ
 ◆【環境・エネルギー】再エネ移行が生む巨大需要を刈り取る
  シナリオ1 シナリオ再生可能エネルギー関連市場
  シナリオ2 セクターカップリング
 ◇専門家の視点(5)「グリーンカラー」が50年までに3億人増
 ◆【モノづくり】製造業から「資源再生業」へ
  シナリオ3 静脈市場の開拓
  シナリオ4 リサイクルクレジット取引市場
 ◆【ヘルスケア】健康長寿社会の実現で世界をリード
  シナリオ5 “長寿”イノベーション・ハブ
  シナリオ6 コネクテッド・ヘルス
 ◆【観光】「観光大国・日本」のポテンシャル最大化
  シナリオ7 “循環”ツーリズム
  シナリオ8 観光データ・マーケティング
 ◆【地域創生】価値循環を組み込んだ地域活性化の推進
  シナリオ9 ライフワーク×観光
  シナリオ10 再エネ×地域コミュニティー

第6章 世界に先駆けた「22世紀型」成長モデルへ
  世界がモデルチェンジを迫られる
  「拡大の世紀」と「縮小の世紀」のはざまで
  目指す姿はウェルビーイング大国
  どのような一歩を踏み出すべきか

おわりに
謝辞
執筆者・協力者一覧
参考文献一覧