内容紹介

起こり得る戦争とは? どう戦われるべきなのか?
アジア太平洋の覇権をめぐる戦争の考え方を
米防衛戦略の策定を主導した戦略家が提示する。

■中国の著しい軍備増強により、もはや過去のものとなった北東アジアにおける米国の軍事的優位。もし、西太平洋を中心とするアジアで戦うことになったら、戦争に勝利するのは米国とその同盟国なのか、あるいは中国なのか。深刻な疑問が投げかけられている。
■力と野心を押し出す中国に対して米国は、日本はどう動くべきなのか。中国に対抗する反覇権連合とはどのようなものか。なぜ、どのような台湾防衛が必要なのか。日本は反覇権連合の戦略において、どのような位置を占めるのか。中国に勝利するための条件は何か。
■米国の国防戦略をこの一世代で最も大幅に改定したと評価される「2018年国家防衛戦略」の主導的立役者エルブリッジ・A・コルビーが、中国の覇権奪取の動きに対抗するための「拒否戦略」(strategy of denial)を明快な論理構成で描き出す。
■ここ数十年で最も情報に富み、米国の防衛戦略を詳細に再評価した本書は、厳密でありながら実践的なアプローチを説き、米国が中国との戦争に勝つためにどのような準備をすべきか、また、適切な戦略の構築が結局は戦争の回避、適切な平和につながることを説く。
■戦略の大家E・ルトワック、「100年マラソン」説で知られるM・ピルズベリー、国際政治学者J・ミアシャイマーらが絶賛する骨太の戦略書。

目次

日本語版への序文
まえがき
謝 辞

第1章 米国の戦略の目的
  米国の戦略の基本的な目的/勢力均衡の中心的な役割
 
第2章 好ましい地域的勢力均衡
  反覇権連合を形成・維持における課題/集中的な順次戦略/
  連合の中核の重要性/域外の中核となるバランサーとしての米国/
  現在の反覇権連合の見通し
 
第3章 同盟国とその有効な信頼性ある防衛
  反覇権連合内の同盟の役割/有効な防衛/有効な防衛の実行に伴う課題/
  信頼性の重要性/差別化された信頼性
  
第4章 防御圏の定義
  差別化された信頼性を守るためのコミットメントの調整/含意

第5章 限定戦争における軍事戦略
  限定戦争における軍事戦略/限定戦争についての検討/
  国家が戦争を限定する方法/限定戦争における勝利

第6章 敵の最適戦略に注目することの重要性
  なぜ中国の最適軍事戦略の理解が重要なのか/戦略の代替モデル

第7章 中国の最適戦略
  韜光養晦とその限界/集中的な順次戦略の実行/制裁アプローチ/
  征服アプローチ
 
第8章 拒否的防衛
  優位の回復は不可能/コスト賦課戦略の偽りの魅力/
  米国にとっての最適戦略――拒否的防衛/既成事実化の拒否
   
第9章 有効な拒否的防衛後の限定戦争
  長期戦

第10章 結合戦略
  なぜ拒否的な防衛は失敗する可能性があるのか/
  拒否的防衛の失敗への対応/決意の醸成/結合戦略/
  より強固な決意の源泉/戦争の勝利

第11章 含 意
  軍事的含意/米国の防衛圏/米国の防衛圏の変更?/集団防衛/
  アジアにおける反覇権の取り組みとより広範な米国の防衛戦略/
  パンデミック/核抑止/対テロ/同時生起の問題/北朝鮮/イラン/
  ロシア/もし本戦略の負担が大きい場合はどうするのか/友好的核拡散

第12章 適切な平和

原注
訳者あとがき