内容紹介

デジタル社会を生きる子どもたちのウェルビーイング[身体的・精神的・社会的に良好な状態]を守るために大人ができることを具体的に説明します。

スマホを通してデジタル社会を生きる子どもたちは、さまざまな「事態」に遭遇しています。
――いじめ、嫌がらせ、さらし上げ、暴露、タグづけ合戦、マウント合戦、キャンセルカルチャー、プライバシーリスク、自己承認、自己嫌悪、自己欺瞞、不適切投稿、不適切写真……――
ソーシャルメディアなどのテクノロジーがこうした「事態」を悪化させる中、子どもたちはデジタル社会につながり続けることへのプレッシャーや義務化するメッセージのやりとり、過剰なスクリーンタイムといった「課題」を抱えながら、その対処法を求めています。

本書は、子どもたち(主に10代)がデジタルエージェンシー[個人がデジタル技術を主体的に使いこなす力]を身につけるために、親や先生といった大人が何ができるのかを具体的に示します。そこでは、以下の3つの姿勢が大切です。
 ・「決めつける」のではなく「問いかける」こと
 ・「呆れる」のではなく「共感」を優先すること
 ・「戒め」だけでなく「複雑さ」を受け入れること

ハーバード大学の大規模調査に基づいて具体的な対策を提示
本書が画期的とも言えるのは、著者らの主領域でもある社会学をベースとしていることに加え、ハーバード大学のプロジェクト・ゼロで培われた知見も合わせて、教育的な働きかけを指向している点にあるだろう。具体的に言い直すと、(1)10 代の若者の声を中心に据えた研究アプローチを採用し、彼らによって構成されたアドバイザリーグループと協力して、調査結果の共同解釈を行ったこと、(2)スクリーンタイムなどの単純な指標から、判断力やエージェンシー(主体性)へと課題検討のフレームワークを転換したこと、(3)「スマホを手放しなさい」「セクスティングなんてしないで!」といった単純な命令や決めつけではなく、共感と対話理解に基づくアプローチを提唱していること、(4)調査結果を実践的なアドバイスに換えて、保護者や教育者がティーンエイジャーのデジタル生活をサポートする具体的方法を提供していることだ。
-------「翻訳者あとがき」から-------

本書は、米MITプレス発行の「Behind Their Screens: What Teens Are Facing (and Adults Are Missing)」 の邦訳です。

【目次】
はじめに 私たちは何を見逃しているのか?それがなぜ重要なのか?
第1章 デジタル時代に本当に心配すべきこと
第2章 スクリーンの魅力──なぜ私たちは離れられないのか
第3章 友情のジレンマ──デジタル時代に変わる関係性の形
第4章 ちょっとした嫌がらせと大きな喧嘩──小さな火種が爆発する理由
第5章 ヌード画像──リスクを承知でティーンがセクスティングをする理由
第6章 政治は個人的なもの、逆もまた然り──切り離せない現代の関係性
第7章 生涯消えない?デジタル足跡──過去と共存する未来
第8章 結論:「デジタルエージェンシー」のために大人ができること


■補足訂正

2025.07.07 補足訂正
『スマホの中の子どもたち』訂正情報
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