不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は国家戦略技術6分野に指定され、最も注目される業界のひとつである「半導体」業界を見ていこう。
半導体は電気を通す導体と通さない絶縁体の中間の性質をもち、電気の流れを制御する。デジタル化や脱炭素に欠かせない重要物資だ。用途はスマートフォンやパソコンなどのデジタル品だけでなく、今後は生成AI(人工知能)を支えるデータセンターや自動運転向けに最先端の半導体が使われる。
2030年には市場規模は現状から6割増の1兆ドル(約140兆円)に達するとされる。日本は1980年代に販売額1位だったが、2000年代に先端開発から撤退した。
最近の動向
生成AIサービスの普及で学習や推論に使う画像処理半導体(GPU)や広帯域メモリー(HBM)が不足している。AI半導体では米エヌビディアが9割のシェアを占め、台湾の製造受託会社、台湾積体電路製造(TSMC)に生産を委託する。
一方、スマートフォンやパソコン、自動車の販売が伸び悩む中で、これらに使う半導体は市況が低調だ。
日本が得意な電圧制御用のパワー半導体では、市況悪化を受けて協業の動きも出ている。中国勢も増産をかけており、国内メーカーの脅威となっている。
業界規模
世界の半導体市場規模:6305億ドル(90兆8550億円)(2024年、世界半導体市場統計〈WSTS〉)
キーワード
【広帯域メモリー(HBM)】
一時記憶用のDRAMを複数枚積み上げて記憶容量と転送速度を上げたメモリー。AI半導体にGPUと一緒に内蔵される。SKハイニックスが2013年に開発した。
業界団体等
電子情報技術産業協会(JEITA):東京都千代田区大手町1-1-3 大手センタービル https://www.jeita.or.jp/
国際半導体製造装置材料協会(SEMI):東京都千代田区丸の内1-4-1 丸の内永楽ビルディング https://www.semi.org/jp
[日経クロステック 2025年12月24日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)





