不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回はメガバンクの連携が進む「フィンテック」業界をとりあげる。
ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を組み合わせた造語で、IT(情報技術)を使った新しい金融サービスや金融事業の総称。2008年の金融危機をきっかけに米国で大きな潮流となり、日本にも波及した。
既存の金融機関だけでなく、大手IT企業やスタートアップ企業の参入が相次ぐ。決済や個人間送金、資産運用、ネット上で不特定多数から資金を募るクラウドファンディングなど、低コストで利便性の高いサービスの開発競争が国内外で進む。
最近の動向
銀行の業務範囲を広げる法改正を受け、メガバンクとフィンテック企業の連携が加速している。
三菱UFJ銀行はウェルスナビとマネーツリーを相次ぎ買収し、ロボアドバイザーや資産管理サービスを強化。三井住友カードは、マネーフォワードの個人向け事業を分離・新設する会社に出資する。
フィンテック各社は銀行の顧客基盤や資金力を活用し、事業の拡大と安定化を図る考えだ。一方、AIエージェントの活用にも注目が集まる。マネーフォワードやLayerX、フリー各社が発表。顧客の業務効率化にどう資するかが試される。
業界規模
フィンテック関連の世界市場規模:1兆5000億ドル(216兆1500億円)(2030年予測、米ボストン コンサルティング グループ)
キーワード
【BNPL】
英語で「後払い」を指す用語。米国を中心に各国で有力なサービスが生まれており、クレジットカードを嫌う若者を中心に利用が進む。
[日経クロステック 2025年12月25日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)


