不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は価格上昇傾向が続く「マンション」業界を見ていこう。
不動産経済研究所によると、2024年度の新築分譲マンションの販売戸数は前年同比17%減の2万2239戸で、1973年度の調査開始から過去最少となった。社宅跡地などマンション向けの用地が減っていることや、建築高騰で物件開発は厳選されている。不動産価格の高騰で都心では1億円超えの物件が増えている。
最近の動向
2024年度の首都圏の新築マンションの平均価格は8%増の8135万円、東京23区では1億1632万円に達した。建築コストの上昇や都心部で用地が不足していることなどから価格高騰は今後も続く見通し。
こうした流れから地方都市の主要駅前にも分譲価格が1億円を超える「億ション」の建設が相次ぐ。夫婦で稼ぐ「パワーカップル」の増加や相対的な低金利政策もマンション価格の上昇を支える。
不動産価格の上昇から物件を売却する動きも強まり、都心の中古マンション価格も押し上がっている。東京カンテイによると、都内の4月の中古マンションの売り出し価格は2.6%高の8309万円だった。都心での分譲マンションを諦めた実需層が、賃貸マンションに流れる動きもある。
業界規模
全国の新築マンション発売戸数:5万9467戸(2024年、不動産経済研究所)
キーワード
【ペアローン】
1つの物件に夫婦や親子の2人が住宅ローンの借主となり、互いに連帯保証人となる。借入額の増加やそれぞれが税控除の対象となる一方、収入が減ったり死亡など不測の事態があったりしてもローン返済が残る。
[日経クロステック 2026年1月7日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)



