不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は海外展開やM&Aの動きが注目される「建設」業界を見ていこう。
ゼネコン(総合建設会社)が手掛ける工事は土木、建築に大別できる。バブル崩壊後の建設需要の低迷で1990年代後半から2000年代初頭には経営破綻や金融機関の債権放棄を受ける企業が相次いだ。日本の建設大手の上位5社は、その歴史や規模から「スーパーゼネコン」と呼ばれる。
最近の動向
日本建設業連合会によると、2024年度の国内建設受注額は過去20年で最高だった。首都圏を中心とする大型再開発や国土強靱化に向けた公共工事の需要が底堅い。数年間の資材価格の高騰によって大規模な建築工事を抱えた大手を中心に工事採算が落ち込んだが、受注戦略の見直しが進んで改善傾向にある。
資材高や設備工事の人手不足で需給が逼迫し、工事発注の遅れが相次ぐ。請負業は景気変動の影響を受けやすく、不動産開発やインフラ運営など収益源を広げる動きのほか、海外展開やM&A(合併・買収)も活発だ。
24年4月に始まった時間外労働の上限規制や担い手不足への対応が課題。各社は省人化技術の開発を進め、技術者や職人の育成・確保を急ぐ。
業界規模
名目建設投資:73兆200億円(2024年度見通し、国土交通省)
キーワード
【公共工事設計労務単価】
国が公共工事の積算で用いる労働者の賃金単価基準。近年の人手不足が反映され、2025年まで13年連続で引き上げられている。
業界団体等
日本建設業連合会:東京都中央区八丁堀2-8-5 東京建設会館 https://www.nikkenren.com/
建設経済研究所:東京都港区西新橋3-25-33 フロンティア御成門 https://www.rice.or.jp/
[日経クロステック 2026年1月21日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)





