その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は中野博幸さんの『 エラーで学ぶPython 間違いを見つけながらプログラミングを身につけよう 』です。

【はじめに】

 プログラミングの学び方としては、「真似る」「変える」「創る」という3つの段階を繰り返すのがよいと言われています。「真似る」は、書籍などに載っているプログラムを全く同じように入力して動かしてみることです。これを「写経」と言ったりします。初歩の段階では、サンプルプログラムを自分で入力して動かすのは、プログラミングを学ぶうえでよい方法です。しかし、単純に丸写しするだけですが、そう簡単にプログラムは動いてくれません。
 プログラムとは、あらかじめ決められたルールに従って人間がコンピュータに様々な処理方法を伝えるものです。文字が1つ違うだけでもルール違反となり、うまく動かないことがあります。このうまく動かない状況を、プログラムにバグがあると言ったり、プログラムにエラーが発生していると言ったりします。
 プログラムがうまく動かないことをバグ、英語で虫(BUG=バグ)と言うのは、コンピュータ黎明期に作られた巨大な計算機がうまく動かない原因を探っていったら、機械の中に入り込んだ虫の仕業だったという逸話からです(ただし、諸説あるようです)。
 「真似る」から一歩進んで「変える」「創る」の段階では、一部あるいは全部のプログラムを自分で考えて入力することになります。「真似る」よりさらに多くのエラーが発生することになるでしょう。

 本書はプログラミング初心者に向けて、「真似る」「変える」「創る」の3段階で構成します。最初はプログラム例を「真似て」基本的な記述方法や注意点を理解し、次にプログラム例を応用した、言い換えれば「変えた」練習問題で様々なエラーを修正し、さらに深く学びます。最後の章末問題では、より複雑なプログラムを読み解きながら「創る」段階を経験しましょう。

 プログラミング環境には、高等学校の情報の授業で多く使われているPython(パイソン)を取り上げます。Pythonは、プログラムを文字や記号、数字で記述するプログラミング言語です。ほかのテキストプログラミング言語と比較して、文法がシンプルでわかりやすく、少ない命令で複雑な処理を書けるので、誰が書いたコードでも同じになりやすく、挫折しにくいと言われています。
 それでも、プログラムを書く際には、命令の入力間違いや文法間違いが発生します。加えて、プログラムは動いているのに正しい動作にならない構文エラーも発生します。こうしたエラーの原因を学ぶことは、プログラミングのスキル向上にとても役立ちます。うまく動かない状況を乗り越えた先に、プログラミング初心者から中級者への道が見えてくると信じています。

2023年 研究室より雪の米山を望みて 冬
中野 博幸


【目次】

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