その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は江村出さんの『 仕事を上手に圧縮する方法 仕事時間を1/5にして圧倒的な成果を上げたITコンサル流 仕事の基本 』です。
【はじめに】
限られた時間と労力でパフォーマンスを最大化する
本書でお伝えしていく仕事術は、効率化の中でも「時間」と「成果」に特にフォーカスしたものです。要するに、「仕事で今以上の成果を出せるようになること」、あるいは、「今と同じ成果を出しつつも、かかる時間を今より大幅に減らせるようになること」を目的としています。
「あれだけ時間をかけたのに、これだけの成果なの?」
ハラスメントに過敏なこの時代に、直接、このように言われることはないでしょう。しかし、言えないということは、思われていないということではありません。
むしろ、直接言われない分、何年たっても成長の機会を得られないままになっている人が多いというのが、私の実感です。「デキる人はどんどんできるようになっていき、デキない人はどんどん取り残されていく」、そんなシビアな時代だと感じています。
- 指示された通りにやったはずなのに、浮かない顔をされた
- 時間をかけて取り組んだのに、いっこうに評価されない
- 準備して臨んだ発表の場で、空気が凍りつきがち
- 同僚たちに比べて、任される仕事が少ない(軽い)
- 何度やっても手戻りになる
もし、あなたが日常の仕事の中で、このような経験をしているならば、相手の方はあなたに対して、冒頭のような気持ちを言えずにいるかもしれません。
他人が言ってくれないからこそ、自分で気づいて変えていくしかないのです。
こうしてビジネス書を手に取られている以上、あなたの人生における仕事のウエイトは小さくないはずです。1日8時間、週に5日働く方でも、人生の4分の1程度の時間を仕事にささげています。いずれにせよ長い時間かけて働くのなら、
「デキる人として評価されたいですよね?」
本書は、この質問に「もちろん!」と力強くうなずいてくださった方、そして、あなたの上位者(チームリーダーや上司など)の方やチームのメンバー、同僚、顧客、仕事のパートナーに、
「助かったよ」
「信頼してるよ」
「任せたよ」
と言われる仕事をしたい方のための1冊です。
ただし、こうした「心からの言葉」は、「人よりちょっとだけ頑張ろう」とか「要領よくやってどうにかしよう」という仕事の仕方では得られません。
どうせやるなら、とことん取り組んで、「本当の仕事の力」をつけてみませんか?
▼より大きな仕事を任されながら、時間を短縮して、成果を上げる=仕事の圧縮
本書でお伝えしていくのは、私がITコンサルという仕事に従事する中で見いだしてきた仕事術です。
みなさんはITコンサルという職種をご存じでしょうか?
文字通り「ITスキル」と「コンサルスキル」を同時に発揮し、プロジェクトを推進していく仕事です。ときには数十人、あるいは数百人のチームで、数カ月~1年程度のタームで顧客の課題解決に取り組むことになります。
ITコンサルは、通常、一般的なエンジニアよりも数倍近くのフィーをいただきます。その分、顧客の信頼を得るには、顧客ではできないことをハイスピードでこなし続けることが不可欠です。「この仕事は苦手だから」「若手だから」「初めて取り組む案件だから」「今日は早く帰りたいから」「体調が悪いから」などの言い訳は通用しません。
現場で経験を積むしかないため、私も新人時代から、様々な現場で「一生懸命」働いてきました。
しかし、当時できる限りのことをしていたつもりでしたが、私の評価は同期の中でも「中の下」くらいだったと思います。理解力が低い、作業スピードが遅い、考えるのが苦手……実際のところ、どんなプロジェクトにおいても、求められるレベルに到達できず、顧客からリリース(プロジェクトからの離任)されるのではないかと恐れていました。
「このままでは本当に、人生詰む」
という危機感を抱いたことを覚えています。
当時は、「仕事だけでなく、プライベートも充実させよう」「長時間労働を見直そう」という社会の風潮が始まった頃でしたが、個人的にはそんな悠長なことをいっている場合ではありませんでした。
そこで、「どうせなら人の2倍やってやろう」と意気込んで、1日15時間を仕事にあてていました。
優秀な先輩たちの背中を見て、たくさんの本を読み、多くの人の話を聞き、自分なりの試行錯誤を重ねました。週末になるとひどい頭痛に襲われるくらい身体にも影響が出ていましたが、そうして四苦八苦する中で編み出したのが、本書でご紹介する「時間」と「成果」にフォーカスする仕事の仕方です。
広くコンサルが身につけているロジカルシンキングや高度なコミュニケーション、プロジェクトを進めていく技術だけでなく、ITコンサル特有の、
- 専門分野(私たちにとってはIT分野)の中身に踏み込み、マニアックなところまで掘り下げて、ゴリゴリさばいていくスキル
- 日々技術が進歩していく中で情報をキャッチアップし、その専門知識を踏まえて判断していく方法
- 課題の本質を見極め、爆速で仕事を進めていく方法
などについてもお話ししていきます。IT分野とは関係のない仕事をされている方や、ご自身の仕事の仕方に問題意識を持っている方にもお役立ていただけるよう一般化しつつも、「実践で使える生きたノウハウ」をお伝えできるように心がけています。
人より2倍努力し「仕事のやり方」を身につけた今、当時と比べて仕事の時間を5分の1に圧縮しながらも、難易度の高い仕事や納期のタイトなタスク、ますます加速するIT技術の進歩を先取りするような仕事ができるようになったと自負しています。
みなさんも本書に書かれたことを実際の現場で取り組んでみて、「変わることができたよ」と言っていただけることを楽しみにしています。
【目次】









