その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は大澤文孝さん、玉川憲さん、片山暁雄さん、今井雄太さん共著の『 Amazon Web Services基礎からのネットワーク&サーバー構築改訂4版 』です。

【改訂4版に当たって】

 改訂3版から早3年。皆様に支えられて、このたび、改訂4版を発刊することができました。改訂4版では、2023年3月時点の内容に一新しました。全体として操作画面などを更新したのに加え、主に、次の点を改訂いたしました。

・「Amazon Linux 2023」に対応
 2023年3月に、Amazon Linuxの最新版となる「Amazon Linux 2023」が登場しました。このディストリビューションは、Fedoraをベースとしています。5年間の長期サポートがうたわれており、2年ごとのメジャーアップデートが予定されています。AWSにおいて、今後の主流となるディストリビューションです。Amazon Linux 2023は、以前の「Amazon Linux 2」と大きく変わりませんが、「ソフトウエアパッケージが異なる」「推奨される設定方法などが一部異なる」など、いくつかの違いもあります。またデフォルトで、RSA/SHA-1が廃止されたことにより、一部のSSHクライアントでは接続できないという点にも注意が必要です。改訂4版では、この新しい「Amazon Linux 2023」に対応するよう、手順や方法を修正しました。

・より確実に確かめられる動作環境
 本書には、HTTPプロトコルを実際に見るハンズオンの項目があります。前版では、一般的なサイトに接続して試す手順だったのですが、近年は、暗号化されたSSL/TLSを必須とするサイトが多くなり、(暗号化されていない)HTTPプロトコルでの接続を確認することが難しくなりました。そこで改訂4版では、一般的なサイトではなく、自身で起動したHTTPサーバーに接続する手順に変更しました。そうすることで、皆様が、外部環境の変化による影響を受けず、より確実にハンズオンで試せるようになりました。

・HTTP/2環境における補足
 近年では、HTTP/2に対応したサイトやブラウザーが多くなりました。そこで改訂4版では、HTTP/2の場合について、補足を加えました。

 本書は、おかげさまで初版から早9年を迎えます。クラウドでインフラを入門する本として、これだけ長く続けられたのも、読者の皆様のおかげです。時がたつにつれ、本書を読んで入門した方が、新たな入門者に本書を紹介してくださっているという話も耳にしており、ありがたい限りです。引き続き今後も本書が、さまざまな入門者の方々にとって、お役に立てれば幸いです。

2023年5月
大澤 文孝

【目次】

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