その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は日経ヘルスケア(編)の『 日経ヘルスケア記者がつくった 医療・介護の制度・業界動向 まる分かりガイド 2024-2025 』です。

【はじめに】

 日経BPには医療・製薬関係者向けの雑誌・ウェブメディアが4媒体あり、新人記者の多くは、医師・医療従事者のための総合医療情報サイト『日経メディカル』に配属されます。そこから医療・介護の経営情報誌『日経ヘルスケア』に異動してきた記者が最初に苦労するのが、医療・介護を取り巻く制度の複雑さです。臨床医療の取材では意識したことがなかった、届け出ている入院料や加算、看護配置、重症度、医療・看護必要度、平均在院日数などの用語の数々……そもそも臨床医療の取材で見ていたのは、高度急性期・急性期医療の一部にすぎなかったことに気付くわけです。

 実は、医療・介護現場で働いている人の中にも、専門外のことには明るくない人もいるのではないでしょうか。例えば、取材で伺った「退院後は施設に入りました」という話において、その「施設」が介護老人保健施設か、特別養護老人ホームか、介護医療院か、介護付き有料老人ホームか、それとも認知症高齢者グループホームなのかによって、意味合いは少しずつ異なってきます。「急性期と慢性期、入院と外来と在宅、医療と介護を手掛ける人が、共通言語で話せていないことがあるのではないか」という問題意識が、本書の企画につながりました。

 本書では、日ごろ専門誌で経営者向けの記事を執筆している記者が、記事の前提知識となる医療・介護の制度や業界動向を豊富な図表を使ってコンパクトかつ丁寧に解説しました。ポイントは、これから医療・介護業界で働く新入職員や業界の全体像を短時間で把握したい人などを想定して平易な言葉で解説していることと、厚生労働省をはじめとする公的機関が公表しているデータを数多く引用していることです。公的機関の資料だけでは理解しにくい部分を記者が言葉を補って解説しつつ、公的機関のデータを引用することで客観性を担保しました。一方で、各項目の重みや位置付けが分かりやすいよう、項目によっては「今後の見通し」として編集部独自の見解を加えています。

 急速に高齢化が進展し、人口構造が変化する中、医療と介護の連携は今後ますます欠かせなくなっていくはずです。医療だけあっても、介護だけあっても、患者や利用者が「自分らしい暮らし」を人生の最後まで続けることはできません。本書を通して、医療・介護業界や制度への理解が少しでも深まり、連携がスムーズになったら、これ以上にうれしいことはありません。ぜひ、お役立ていただければ幸いです。

2024年3月 日経ヘルスケア編集部

【目次】

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