その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は渡部守さんの『 エンジニアがExcel VBAを簡単に学べる本 』です。
【はじめに】
本書は、エンジニアの方々に向けたExcel VBAの入門書です。言い換えますと、Excelでマクロを作るための本です。ここでいうエンジニアとは、IT系のエンジニアであるシステムエンジニア(SE)やプログラマーなどに限らず、幅広い意味で工学的な仕事に従事されている方々を対象にしています。
実験・研究・開発・設計といった技術職務で、Excelを使って大容量のデータを整理・加工・分析などをすることに日々苦戦を強いられているエンジニアの方は多いかと思います。取り扱うデータの量が大きいだけに、短時間で手軽にExcel VBAのプログラムが組めるようになってマクロを使えるようになることで、格段に作業効率がアップします。特に大容量のデータ入出力を、VBAで効率よく自動化できることによる時短の効果はまさに絶大です。
本書をご利用いただくことで、エンジニアにとって研究などのもっと楽しい本質的な部分により多くの時間が割けること。データ処理の単純作業から解放され、研究・開発・設計業務に集中できるようになること。Excelの単純作業はさっと組んだVBAで、ささっと終えることができるようなってもらいたい。これが本書の目的です。
筆者は専門分野として長年、土木系3次元CAD(コンピュータによる設計)ソフトのマクロ開発に携わってきたSEです。マクロはもともと、CADソフトの分野で発展してきた機能です。CADソフトの繊細で時間のかかる面倒な操作は、Excelの比ではありません。コンピュータを使った作業の中で、その時間と労力のかかる最たるものであるCADソフトの操作を、ユーザー自身が自動化して楽をする。そのための機能としてCADの世界で発展してきたものがマクロだといえます。そして今では、そのユーザー数の多さから本書で学ぶExcelのVBAがマクロの代名詞となったわけです。
なお、本書ではエンジニア仕事の核心部分となる数値解析やデータサイエンスに関しては一切触れません。データの特に面倒な加工や入出力の自動化で、ワキを固めることを目的とします。
本書の構成
本書では、Excel VBAの便利な機能である「マクロの記録」をフル活用した効率的なマクロ作りを学んでいきます。「マクロの記録」は、設計エンジニアの方であればCADソフトでなじみのある「コマンド記録」のようなものだと理解するとイメージしやすいかも知れません。
まずは、第1章、第2章、第3章を通して、その「マクロの記録」の有効な使い方やコツに慣れると同時に、マクロ作りの基本動作を身に付けていきます。次の第4章では、複数のファイルの扱い方を学びます。
後半の第5章では、大容量のテキストデータを効率よく扱う方法を、第6章のグラフ作成では、エンジニア仕事で欠かすことのできないデータの可視化(グラフ化)に関して、グラフ自動作成マクロの手軽な作り方の手順とそのノウハウを詳しく説明します。
さらに、第7章では配列と関数を、第8章ではプログラムのデバッグと高速化を、それぞれエンジニア向けに解説した内容になっています。
Excel VBAを学ぶための本は数多くあるでしょう。しかし、それらのほとんどが事務系のデータ処理を対象にしたものばかりで、技術系エンジニアの皆さんに適した内容とは必ずしもいえないと思います。しかも、仰々しい(たくさんの勉強時間を要するような)「ハイコード」でVBAを教えている場合が多いです。本書では、「マクロの記録」を最大限にうまく活用することで、「ローコード」でVBAが組める方法を(ハイコードでもなければノーコードでもない方法を)教える内容となっています。どうぞこのノウハウを定型作業の効率化と時短にお役立ていただければ幸いです。
本書の使い方
巻末付録に記載している本書ウェブページのアドレス(URL)から、本書の各章で用いるテストデータやサンプルコードがダウンロードできます。各章での指示に従ってファイルをダウンロードしてご利用ください。
【目次】







