その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は吉田守さんの『 経験不要の「ロジカル営業」 必ず成果が上がる最強の仕組み 』です。
【はじめに】
本書は、IT企業で営業を担当している方やこれから営業職に就くことが見込まれる方に向けて、ユーザーの成果を実現するための営業がどういったものかを説明し、経験や資質に頼ることなくロジカルに考え、行動する方法を伝えることを目的とした解説書です。この営業の方法論とそれに基づいた実践で、どなたでも成果を上げることができます。営業は経験と資質に頼るものではなく、ロジカルな取り組みで成果を上げる業務だからです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが注目を集めています。なぜ、DXが注目されるのか。それは、様々なビジネスにおいてデジタル化(データ化)が進み、技術の進歩により今までは解決できなかった課題をITで解決できるようになったからです。解決できる範囲が広がったことでユーザーに大きな変化を起こし、事業あるいは企業の存続・発展に直接的な影響を与えられるようになりました。その流れの中で、SIer(システムインテグレーター)などのIT企業の役割がより重要になっています。しかし、その変化に対応できていない企業が多いのです。
本書の存在価値はここにあります。現状のIT企業では機能などによる価値の提案が中心になっています。ですがそれではユーザーの変化に対応できません。本書では、ユーザーでの成果向上を目的とする提案型営業を「ロジカル営業」と定義し、その実践方法を具体的に説明します。筆者はこの方法を「ロジカルセールス」と20年近く呼んでいるので、本書でも主にこちらを使います。
ロジカルセールスは言い換えるなら、全ての営業担当者が属人的な経験や資質などに頼らず、自律的・能動的に、ロジカルに考え動くことができるようになり、1人で担当するときもチームを組むときでも、成果をきちんと上げる営業メソッドです。
筆者は、情報システム会社の在籍中にSE(システムエンジニア)から営業に転向し、先輩も同僚もいない中でSI事業を、その後パッケージソフトやツールなどの事業をゼロから企画し立ち上げました。悩み、失敗しながらも、個人の営業活動だけでなく、営業未経験者を含む営業チームを編成し成果を上げ営業のノウハウを蓄積してきました。それをまとめたものがロジカルセールスです。ロジカルに考え、成果につながる行動を取ることには、SE出身であるというキャリアが生きました。
ロジカルセールスを理解し、身に付けてもらうために、本書では「営業とは何か」という営業の目的や役割の説明から、受注を呼び込む営業ストーリーのつくり方、営業テクニックの使い方まで、ゼロから成果を上げるための方法を網羅しています。「なぜこのタイミングでこうする必要があるのか」という理由も解説しているので、納得して行動し、状況に応じて自らのやり方を変化させることができます。営業のアクション一つひとつの理由と意義を知り、ユーザーの成果をしっかりと意識して活動すれば、営業は怖くありません。
具体的な本書の構成は以下のようになります。
第1章 IT業界の現状と変わる営業
第2章 まず営業とは何かを知ろう
第3章 営業の2大要素を因数分解
第4章 営業ストーリーと営業テクニック
第5章 仮想商談でロジカル営業を学ぶ
第6章 値引きと予算への対応
第7章 組織で勝つチーム営業
初めから順に読んでいただく必要はありません。どこから読み進めても、すぐ実践できる内容になっています。
現在IT企業で営業を担当しているものの成果が上がらず困っている方、あるいはより大きな成果を上げようと模索している方はもちろん、営業職に初めて就く方、営業マネジャーになった方、営業未経験の開発技術者などから営業に転向したが何をしたらいいか分からないという方まで、幅広く参考になると思います。ロジカル営業、ロジカルセールスが営業担当者としての成果向上に役立てば幸いです。
なお、本書は「日経コンピュータ」に掲載した連載「突然『営業になれ』と言われても怖くない!」「突然『チームで営業せよ』と言われても怖くない!」を、大幅に加筆・再構成したものです。
【目次】





