その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は友村晋さんの『 2030 未来のビジネススキル19 』です。
【まえがき】
正解のない未来へのスキル
未来を予測する最善の方法は、自らそれを創り出すことである。
これは、僕の大好きな言葉で、パソコンの父と呼ばれる米国の学者アラン・ケイさんの言葉です。
ChatGPTをはじめとする生成AIの登場は、あらゆる業界の人々から衝撃をもって受け止められました。
これで産業が活性化する、仕事の生産性が上がる、といわれる一方で、いよいよホワイトカラーやクリエーティブワーカーの仕事もテクノロジーに奪われる、といった危機感も大きくなったように感じます。
同時に、これからの時代にどんな仕事を選べばいいのか、どんなスキルを身につければ食べていけるのかと、将来への不安を大きくしているビジネスパーソンも多いことでしょう。
本書は、そのような不安を感じているビジネスパーソンに向けて書きました。
本書には、今後どれほどAIをはじめとするテクノロジーが進歩しても、テクノロジーに代替されることがない、半永久的にビジネスの世界から必要とされる20のスキルをまとめました(本書では19のスキルを掲載し、1つはシークレットスキルとして、本書をお買い上げいただいた方への特典動画として用意しました。詳しくは「あとがき」をご覧ください)。
従って、本書を読み終えた後は、生成AIをはじめとするテクノロジーに仕事を奪われるのではないか、という不安から解放されているはずです。
漠然とした将来への不安から解放されることで、明日から何をするべきか見えてくるでしょう。不安がなくなるどころか、自分の市場価値を高めるための道筋も見えてきます。
なぜ、そこまで僕が言い切れるのでしょうか?
はじめまして。僕はテクノロジー・フューチャリストという仕事を生業としている友村晋(ともむらしん)と申します。
フューチャリストとは聞き慣れない仕事かもしれません。まだどんぴしゃりの日本語訳がありませんので、「未来予測士」や「未来予想家」と訳されることが多いです。
フューチャリストとは、テクノロジーがもたらす未来を予測し、経営者の傍らで経営戦略をアドバイスする軍師のような存在です。
同時に僕はユーチューバー(YouTuber)としても活動しています。ユーチューブ(YouTube)の『2030年の未来予測』チャンネルでテクノロジーやビジネス、子育て、教育などの未来について発信し、おかげさまでチャンネル登録者数は14.8万人(2023年7月26日現在)を超えました。
『2030年の未来予測』チャンネルでは、毎日多くの方からコメントを頂いています。それらのコメントを見て、いつも気になっていることがあります。
それは、僕に「正解」を求める質問コメントが多いことです。
例えば、
この資格を取っておけば将来稼げますか?
この業界に転職すれば将来安泰ですか?
少しでも有利な子供の習い事は何ですか?
などです。
この現象は、恐らく先が見えない将来への不安、および、正解ばかりを教える日本の学校教育の弊害ではないかと思っています。何事にも唯一の正解があると思い込んでいる人が多いのでしょう。そして、誰もがその正解を誰かに教えてほしい。なにしろ正解さえ教えてもらえれば、自分で考えたり思い悩んだりする必要がありませんから。
そのため、昨今では未来予測本がブームとなっています。それも占いのような抽象的なものではなく、学者がデータを基に予測したという、一応は合理的なので正解に違いないと思い込みたくなるような予測本が人気です。
しかし、経済学者や統計学者が既存のデータから予測した未来は悲観的な結果に言及している場合が多いため、一般的な人が読めば、ちょっと憂鬱になってしまうかもしれません。
しかもそれらの本を読んだところで、残念ながら自分のビジネスパーソンとしての今後の指針となる正解を見つけることはできません。
見つけられない理由は簡単、そもそも未来に正解など存在しないからです。
社会に出て正解を求める気持ちは分かります。
せっかく手に職をつけたり資格を取得したりして仕事に就いても、ある日突然、それらの仕事がテクノロジーに取って代わられてしまえば全くの徒労になってしまう、という不安がよぎります。
だから、多くの人が確かな正解を知りたがるのです。
そこで僕は、この先にどんな未来が待っていようとも、僕たちにはできることがある、未来を切り開くスキルがあるんですよ、ということをどうしても伝えたくなって、本書を書くことにしました。
正解はないと言いましたが、将来食いっぱぐれる可能性が低く、かつ限りなくビジネスパーソンにとっての汎用性があるスキルを考えて執筆しました。
つまりテクノロジー・フューチャリストとして、これからもテクノロジーに代替される可能性が極めて低い、20のスキルをまとめることにしたんです。
スキル名については、既に日本語として定着しているものもあれば、一見するとなんじゃこりゃ?と思うような変なネーミングのスキルもあります。これは既存のビジネススキルと違って未来のスキルであるため、まだ正式なスキル名がないためです。
本書を執筆するために僕が無理やり名付けた変なネーミングのスキルもありますが、なぜそのスキルが未来で必要なのかという要点だけでも理解してもらえればうれしいです。
アラン・ケイさんの言葉を借りて言わせてもらうと、本書を読んで僕と一緒に、自らの明るい未来を創り出しましょう!
本書の読み方
それでは本書の読み方を紹介します。
本書では、それぞれのスキルを、次の4項目で解説しました。
●「スキル名」
●「スキルの定義」(どんなスキルなのか)
●「未来に必要な理由」(なぜ今後もそのスキルが必要とされるのか)
●「身につける方法」(スキルの身につけ方と、身につける際の注意点)
スキル単位で完結していますので、ページ順に読む必要はありません。気になったスキルから読み始めていただいてもよいですし、自分に不足しているスキルだけを拾い読みしていただいても構いません。
もちろん、すべてのスキルに目を通していただければうれしいですが、最低限習得を目指してほしいのは20個のうち5つのスキルです。
自分が身につけたいと思うスキルでいいので、5スキルだけでも身につけることができれば、今後どれだけテクノロジーが進歩したところで、あなたがテクノロジーに仕事を奪われることはないでしょう。
本書が、あなたがビジネスパーソンとしてテクノロジーに負けない市場価値を手に入れる一助となれば、僕の目論見は大成功です。ぜひ、「なるほど、その手があったか!」と楽しみながら読んでください。
テクノロジー・フューチャリスト 友村 晋
【目次】









