その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は国井傑さん、髙橋憲太郎さん、森下えみさんの『 ひと目でわかるMicrosoft Purview 』です。「まえがき」と「あとがき」をお届けします。

【まえがき】

データを「見つける・守る・正しく使う」を、ひと目で。

 ランサムウェアに代表されるサイバー攻撃によるデータの窃取、人材の流動化に伴う情報の持ち出し、地政学的リスクを背景としたハイテク・重要インフラ・国防に関する情報を盗もうとする直接・間接のスパイ活動など、企業が持つデータは日々さまざまなリスクにさらされています。そのような状況の中で、データがどこにあるのか、誰が利用できるのか、機密情報が適切に扱われているのかを把握することが必要となりますが、適切なツールなくしてこれらを実現することは容易ではありません。Microsoft Purviewは、こういった課題を解決するために作られ、クラウドや端末で扱われるデータを可視化し、機密情報をライフサイクル全体で保護し、データリスクや規制要件への対応を支える統合ソリューションとなっています。また生成AIやエージェントの利用が広がる環境下では、過剰共有や情報漏洩のリスクを抑えながら、データを安全に活用するための土台も担います。

 一方でMicrosoft Purviewは、Exchange Online、SharePoint Online、OneDrive for Business、Teams、Microsoft 365 Apps、Windowsなど各サービスと密に連携しながら多くの機能を提供していて、ユーザーへの使い方のガイダンスや業務への影響も加味する必要があり、実際の設計・構築・展開時には、「どこから始めればよいのか」「何をどこまですべきか」と迷われるケースも多く見られます。本書は、そういった迷いを解消すべく、これまでも多くの書籍を生み出されて来た株式会社エストディアン 国井傑様、NSW株式会社 髙橋憲太郎様、株式会社インテルレート 森下えみ様により執筆されており、画面ショットを用いて設定手順をわかりやすく説明し、基本的な設定や動作イメージが短時間で把握できるように構成されています。

 最初から順に読んで全体像を学ぶのはもちろん、目の前の課題に合わせて必要な章から開いても構いません。本書が、皆さまの組織における「データを守ること」と「データを活かすこと」を両立させ、安心してAI時代へ進むための実践的な道しるべとなれば幸いです。

日本マイクロソフト株式会社
クラウド&AIソリューション事業本部
セキュリティ統括本部
セキュリティ第三技術本部 本部長
一瀬 幹泰(いちのせ よしひろ)

【あとがき】

 『ひと目でわかるMicrosoft Purview』を最後までお読みいただき、ありがとうございました。本書は2018年に出版された『ひと目でわかるAzure Information Protection』の後継となる書籍になります。

 以前の書籍は秘密度ラベルの機能が「Azure Information Protection」と呼ばれていた時代にリリースされたもので、当時流行していたZIPファイルで暗号化してメールで送る(PPAP)というやり方から脱却するための方法として機能を解説しました。しかし現在は(名前は違いますが)同じ機能でも、その目的が「生成AIでの不適切な流用を防ぐ」というものであり、時代の変化によりMicrosoft Purviewは大きな注目を浴びるようになりました。

 私のまわりでも「ひと目でわかるMicrosoft Purview、いつ書くの?」と聞かれることが多くなり、プレッシャーを感じていましたが、この大変な仕事は一緒に執筆してくれたメンバーがいたからこそ実現できたものと感じています。

 その共同執筆者が髙橋 憲太郎さんです。髙橋さんは『ひと目でわかるIntune 第3版』でも共同執筆してくれた方で、私の中では絶大な信頼を寄せる、もはや定番の共同執筆者です。髙橋さんには一番書くことが多い分野である第2章、第3章、第9章の執筆を担当していただきました。

 そしてもうひとりの共同執筆者が森下 えみさんです。森下さんはプリセールスと認定トレーナーという二足の草鞋を履く経歴で、私とともにMicrosoft Purviewに関わるトレーニングを多数手がけ、多くの知見を有していることからお声がけし、今回の執筆が実現しました。森下さんには第4章、第5章、第6章の執筆を担当していただきました。

 まえがきについては、今回は日本マイクロソフトの一瀬 幹泰様に寄稿をお願いしました。一瀬様はまえがきの執筆を引き受けてくださっただけでなく、チームのメンバーとともに原稿の確認などにもご協力をいただき、本当にありがとうございました。

 最後になりますが、本書の企画を快諾し、本書をより良い書籍にするために尽力してくださった日経BPの皆様には深謝の意を申し上げます。ありがとうございました。

2026年8月
株式会社エストディアン
国井 傑(くにい すぐる)


【目次】

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