その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は柳井修司、桜井邦昭、根本浩史、梁俊、南浩輔、十河茂幸、栗田守朗、宇治公隆(著)の『 新コンクリート名人養成講座 生コンの発注から構造物の維持管理まで 』です。
【はじめに】
コンクリートは、社会基盤を支えるうえで欠かすことのできない材料です。長い年月を経ても健全な状態を保っている構造物がある一方で、想定以上の速さで劣化が進み、本来の性能を十分に発揮できなくなる構造物も見られるようになってきました。こうした課題に応えるため、2000年10月に、確かな施工のもとで良質なコンクリート構造物をつくることを目的として、「コンクリート名人養成講座」が発刊されました。さらに2008年10月には、建設環境の変化や技術の進展を反映した改訂版が発刊され、多くの技術者に活用されてきました。
その後、建設現場の状況は大きく変わっています。資材価格の高騰、新設から修繕・更新への移行、人手不足や働き方改革への対応に加え、環境負荷低減への配慮も求められるようになりました。また、機械化やプレキャスト化による施工の効率化、デジタル技術やAI(人工知能)の活用などにより、現場の仕事の進め方も変化しています。こうした中、これまで培われてきた知識や経験、技術を確実に次の世代へ伝えていくことが、一層重要になっています。
そこで、「コンクリート名人養成講座」の歴代執筆メンバーが再び集まり、さらに次世代を担う技術者も加わって内容を全て見直し、「新コンクリート名人養成講座」として新たにまとめました。執筆にあたっては、「不易流行」の考え方のもと、基本を大切にしながら、現場で役立つ最新の知見を積極的に取り入れることを意識しました。
より良いコンクリート構造物をつくり、それを長く健全な状態で使い続けていくための虎の巻として、本書を、若手からベテランまで幅広い技術者の皆さまにお使いいただければ幸いです。
2026年9月
筆者を代表して
柳井 修司・桜井 邦昭
【目次】
【筆者プロフィル】


