その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は立山秀利さんの『 生成AI「思考」の裏側 なぜ賢いのか? なぜ間違うのか? 』。「まえがき」をお届けします。

【まえがき】

 ChatGPTやCopilotなどの生成AIをビジネスですでに活用している人、またはこれから活用したいと考えている人は急速に増えています。生成AIを自分の仕事に導入するなら、より効果的に活用し、かつ、情報漏えいを防ぐなど安全に使いたいものです。

 そのために有効なのが、生成AIの仕組みを知っておくことです。技術者ではない一般のビジネスパーソンでも、生成AIの仕組みをザックリでよいので知っておけば、生成AIの得意な作業は何で、どの業務に使うのがよいのか、どう使うとリスクがあるのかなどがわかり、効果的で安全に活用できるようになるでしょう。生成AIの「思考の裏側」や「頭の中」がわかれば、より使いこなせ、自分の仕事に役立てられるのです。

 本書は一般のビジネスパーソン向けに生成AIの仕組みを易しく解説した書籍です。難しい数式は一切登場せず、中学生の数学の知識さえあれば、誰でも読み通せる一冊です。仕組みとあわせ、「なぜ人間のように賢く受け答えできるの?」や「なぜもっともらしいウソをつくの?」など生成AIの素朴な疑問の答えも知ることができます。

 本書の構成は、1章はイントロダクションとして、生成AIの仕組みを知るメリットを改めて強調するとともに、そもそも生成AIとは何かを解説します。

 2章では、生成AIの仕組みの“基礎の基礎”を簡潔にまとめました。本章を読めば、生成AIを仕事で使ううえで、最低限これだけは知っておけばOKという仕組みを把握できます。最近話題のAIエージェントの仕組みも取り上げています。文系出身者でもスムーズに理解できるよう、極力かみ砕いて解説していますので、ぜひとも読み通してください。

 3章からは説明のレベル(難易度)を一段上げて、生成AIの仕組みをより詳しく解説していきます。3章では生成AIのベースとなる仕組みの「ニューラルネットワーク」を解説します。4章では、生成AIが人間の言葉を話すカラクリを解説します。

 5章では、生成AIの中核である「Transformer」の基本的な仕組みを解説します。6章では、3~5章で解説した仕組みを使い、ChatGPTやAIエージェントなどがどのよう作られ、どのように動いているのかを解説します。

 このような構成の本書を読み進めるうえで留意していただきたいのが、2章以降は解説のレベルを章や節ごとに以下のように大きく3段階に分けている点です。

・低 2章
・高 3-4節、4-5節、5-3節、5-4節
・中 残りの章と節

 レベルが「高」の節は、無理に理解しようとせず、ザッと目を通すだけか、読み飛ばしても構いません。まずはレベルが「低」の2章を理解したら、「中」の節を順にゆっくりと読み、余裕があれば「高」の節に挑戦してください。

 なお、本書は読者の皆さんがなるべく理解できるよう易しく解説している関係で、技術的には厳密に異なる内容が一部含まれている点をあらかじめご了承ください。また、生成AIは技術の進化が非常に速く、内容がすぐに古くなる可能性もあります。

 それでは、生成AIの仕組みを学び、「思考の裏側」や「頭の中」を知る旅に出かけましょう。


【目次】

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