その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は城田真琴さんの『 生成AI・30の論点 2025-2026 』です。

【まえがき】

 生成AIの代名詞とも言えるChatGPTが2022年11月末に登場して以来、世界は生成AIの急速な進化と、そのビジネス、経済、社会への多大な影響を目の当たりにしている。生成AIは、わずか2年でテクノロジーの歴史において類を見ない速度で浸透し、私たちの生活や仕事のあり方を変えつつある。

 生成AIを支える基盤モデルや、それを活用したアバターやエージェントといったアプリケーション、そして画像や音声、動画の生成技術は、もはや本物と見分けがつかないほどの精度を誇る。また、生成AIを活用したスタートアップが次々と誕生し、大手テック企業間では熾烈な主導権争いが繰り広げられている。

 株式市場もその影響を如実に示している。2024年6月、エヌビディアの時価総額は約3兆3400億ドル(約527兆円)に達し、マイクロソフトを抜いて世界一の企業となった。AI対応ネットワーキングソリューションを提供するブロードコムや、エヌビディアのAIチップ生産を担うTSMCも同様に株価が高騰し、生成AI関連市場がグローバルな経済成長を牽引している。

 一方で、この技術の急成長は新たな課題も浮き彫りにしている。ディープフェイクや軍事利用への懸念、データを巡る国際的な摩擦、データセンターの莫大な電力消費など、解決すべき問題は山積している。これに対応するため、各国では規範やガイドラインの整備が進められつつある。

 本書では、生成AIの未来を占う上で注目すべき30の論点を、「ビジネス」「テクノロジー」「社会・経済」の3つのカテゴリに分けて解説している。読者は、興味のあるテーマから自由に読み進められる構成となっているが、関連する論点を続けて読むことで、生成AIがどのように複数の分野に影響を与えているかを立体的に理解することができるだろう。

 本書が、生成AIの未来を考える際の一助となれば幸いである。

2025年1月 城田真琴


【目次】

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