日経BPでは「日経BP」「日本経済新聞出版」の2つのブランドでビジネスに役立つ本を出版。近年出版の本のなかから選んだイチオシの10冊と、書籍担当者の推薦コメントを紹介します。さらに、日経WOMAN読者おすすめの「教養が身に付く本&マンガ」12冊をコメントつきで紹介!
日本経済新聞出版からおすすめの5冊
今さら人に聞けないお金の基本を学び、金融スキルをアップ
(1)
『お父さんが教える 13歳からの金融入門』
デヴィッド・ビアンキ著/関 美和訳/1650円
お金の仕組みや投資の基本を学ぶ機会がないことを憂えた著者が13歳の息子に書いた数ページがもとになって生まれた1冊。株価チャートの見方といった初歩から、ファンドや仮想通貨、PE(プライベート・エクイティ)といった用語解説、企業分析の仕方に至るまで、今さら聞けないお金の基本をイラストとともに楽しく学べる。
アメリカの政治の舞台で起きている未曽有の危機を知る
(2)
『PERIL(ペリル) 危機』
ボブ・ウッドワード、ロバート・コスタ著、伏見威蕃訳/2750円
トランプ政権末期に起きた議会占拠事件が、安全保障上の大惨事を招く寸前だったというスクープから本書は始まる。トランプがいかにして選挙不正を訴えようとしていたのか、無謀な挑戦とみられていたバイデンがなぜ大統領になれたのか。トランプ政権の終わりとバイデン政権の始まりを描き、アメリカ政治の表舞台と裏側を知ることができる。
あの人の知られざるエピソードとともに、会計の歴史を学ぶ
(3)
『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ―500年の物語』
田中靖浩著/2420円
ダ・ヴィンチやレンブラント、ビートルズといった著名人たちの人間ドラマを横軸に、産業の発展史や会計の進化を縦軸に描いた教養本。成功や裏切りのエピソードを読み進めるうちに、簿記や決算書、国際会計基準などについて知ることができる。新しい視点で歴史を面白く読みたい人にも、財務・会計や決算書に興味がある人にもおすすめ。
日経新聞記者が選んだ、知っておきたいトピック44選
(4)
『Q&A 日本経済のニュースがわかる! 2022年版』
日本経済新聞社編/1650円
今、知っておきたいニュースのテーマを44項目取り上げ、1項目4ページずつで図やグラフを使って解説。巨額の新型コロナ対策費はどこから出ているのか、DXとは何で、成功している企業はあるのか? など、気になる時事問題を、どのテーマからでも読むことができる。巻頭には注目業界の業界地図、巻末にはニュースを読み解くキーワード20選も。
物価も給与も安い国になった、日本の現状を直視する
(5)
『安いニッポン「価格」が示す停滞』
中藤 玲著/935円
「日本の購買力はアメリカの7割以下」「初任給はスイスの3分の1以下」など、ミクロなデータと綿密な取材をもとに、直視すべき現状をあぶりだしている本書。長い停滞の間に、日本がいかに世界から取り残されてきたか、技術が買われ人材が外国に引き抜かれている現状をどう見るか。未来を考えるための示唆をくれる1冊。
日経BPからおすすめの5冊
20年後の自分に知識の先行投資を
(1)
『2040年の未来予測』
成毛 眞著/1870円
iPhoneが登場したのは2008年。わずか十数年で世界は大きく変わった。そしてこれからの10年、20年でもっと大きく変わっていくことを踏まえ、あらゆるデータから導き出される未来を著者が予測。2040年のテクノロジー、年金、医療費、衣・食・住などについて、 知って考えることできっと自分の人生を切り開く力が付くはず。
今日の起業家やリーダーに贈る、偉大な企業への道しるべ
(2)
『ビジョナリー・カンパニーZERO』
ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著、土方奈美訳/2420円
世界で1000万部を超えるベストセラーシリーズの最新刊で、30年前に刊行された原点とも呼べる本の改訂版。オリジナルに、新たな視点とデータを加えて大幅に書き足した2部構成で、時代を超えても変わらないビジネスの真理や、今日のリーダーに必要な考え方を教えてくれる。チームで仕事をする多くの人におすすめ。
信頼を獲得し関係を育む。「聞くこと」の力を磨く
(3)
『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』
ケイト・マーフィ著、篠田真貴子監訳、松丸さとみ訳/2420円
聞く姿勢と「聞くこと」の力を身に付けることで得られるさまざまな価値を、多くの文献とインタビューから探求しまとめ上げた本書。大事なのは聞くテクニックではなく、好奇心。「聞くこと」ができると創造性が育ち一生の友人がつくれる。部下の問題解決能力も上がる。実は難しいが人生を豊かにする「聞く」力を磨ける1冊。
好かれる人の秘訣が分かる!話し方のルールを効率よく学ぶ
(4)
『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
藤吉 豊、小川真理子著/1650円
「話し方」をテーマとしたベストセラー100冊の、40のエッセンスを「大事な順」に紹介。良い例・悪い例も豊富に掲載し、雑談・会議・営業トーク・褒め方・叱り方など、リアルかオンラインかを問わず、あらゆるコミュニケーションの「うまく話せない」「伝わらない」「会話が弾まない」が一発解消。仕事ができる人の「感じがいい話し方」が身に付く。
人類は生と死に向き合うことで、知を進化させてきた
(5)
『ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義』
スティーヴン・ケイヴ著、柴田裕之訳/2420円
あらゆる生き物で人間だけが生の追求の過程で文化や芸術、宗教、科学の業績を積み上げてきた。不死や長生きへの願望が人類の進化の原動力であったともいえる。しかし生物は必ず死ぬ。だからこそ今を生きよと哲学者は説く。「命か経済活動か」「何のためにどう生きるべきか」――根源的な疑問と向き合う力、考えるヒントが見つかる。
読者おすすめの「教養が身に付く」本&マンガ
●
『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』
ハンス・ロスリングほか著/日経BP
●『ドムドムの逆襲 39歳まで主婦だった私の「思いやり」経営戦略』
藤崎 忍著/ダイヤモンド社
元専業主婦の著者がドムドムバーガーを奇跡の復活に導いた奮戦記。「人への思いこそ成功の近道。人に何かをしてあげようと思う力を大事にしたいと感じました」。(37歳・メーカー・一般事務)
●『ワイズカンパニー』
野中郁次郎、竹内弘高著、黒輪篤嗣訳/東洋経済新報社
イノベーションを起こし続け、生き残っていく企業やリーダーはどこが違うのかのケーススタディーも紹介。「企業が目指すべき姿勢について知識を得られます」。(50歳・小売・営業事務)
●『歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A』
出口治明著/文藝春秋
歴史上の人物に焦点を当て、古今東西の歴史から何を学ぶかがQ&Aで書かれたエッセイ。「特にリーダーシップに関するところは考えさせられました」。(48歳・IT・営業事務)
●『景観から読む日本の歴史』
金田章裕著/岩波書店
日ごろ目にする景観から、地域の成り立ちや人の営みを読み解くなど、「教科書では登場しない景観史について、最近の研究を含めて紹介されています」。(47歳・出版・企画)
●『あさきゆめみし』
大和和紀著/講談社
平安時代から読み継がれた『源氏物語』を大和和紀さんがマンガ化。「大作であり日本古典の代表作ですが、ストーリーを楽しめ、光源氏の世界が理解できました」。(52歳・メーカー・企画)
●『世界の宗教がざっくりわかる』
島田裕巳著/新潮社
主な宗教のそれぞれの歴史や教義、関係性が書かれている。「世界史や宗教学、文化としても学びがあり、今世界で起こっていることの背景が分かります」。(36歳・メーカー・広報)
●『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』
ブレイディみかこ著/みすず書房
「イギリスの階級社会が保育園レベルでも問題になっていることを伝えるノンフィクション。テレビや映画で見るだけでは想像できない現実を知れました」(36歳・医療・秘書)
●『脳が活性化する 大人の世界地図脳ドリル』
川島隆太監修/学研プラス
一度は行きたい世界の名所や、世界の偉人、各地の産業などをドリル形式で解く1冊。「楽しみながら60日間でできて、ちょっとした知識が身に付きます」。(42歳・教育・教師)
●『銀河の片隅で科学夜話』
全 卓樹著/朝日出版社
ブラックホールや銀河を渡る蝶など、物理学者が書いた科学エッセイ。「科学に興味がなくても、装丁の美しさで手に取ってつい読んでしまう本です」。(40歳・医療・医療事務)
●『#名画で学ぶ主婦業』
田中久美子監修/宝島社
世界中の名画にキャプションをつけた人気ハッシュタグの書籍化。「主婦の愚痴を読みながら名画に触れられます。美術が苦手な人にぜひすすめたい1冊」。(43歳・教育・一般事務)
●『ブルーピリオド』
山口つばさ著/講談社
美術に目覚め芸大を目指す主人公の受験物語と芸大生となってからの奮闘を描くマンガ。「その姿を通じて、画家とは、絵を描くとは何かがリアルに表現されています」。(42歳・医療・看護師)
[日経xwoman 2022年4月18日付の記事を転載]
構成・文/中城邦子 写真/スタジオキャスパー