行政書士という言葉を聞いたことがあっても、どういった資格なのかを知っている人は多くないかもしれません。行政書士は、行政書士法という法律でその存在が認められている、国家資格です。どんな仕事をするのか? 資格を取得した後はどうなるのか? 試験対策書 『うかる!行政書士 入門ゼミ』 から、抜粋して紹介します。

行政書士はどんな仕事をするのか?

 行政書士という言葉を聞いたことがあっても、行政書士がどういった資格なのかを知っている人は少ないと思います。

 行政書士は、行政書士法という法律でその存在が認められている、国家資格です。そして、この行政書士法で行政書士は、次のようなことができると定められています。

1  他人の依頼を受け報酬を得て、下記①②③の書類を作成することを業とすることができます。
①官公署に提出する書類
②権利義務に関する書類
③事実証明に関する書類

2  そのほかに他人の依頼を受け報酬を得て、下記④⑤⑥を業とすることができます。
④作成した書類を官公署に提出する手続や聴聞手続・弁明手続について代理すること
⑤契約書などを代理人として作成すること
⑥書類作成について相談に応じること

3  さらに、2014 年の行政書士法の改正により、新たに行政書士の業務として以下のものが追加されました。
⑦一定の行政に対する不服申立てについて依頼者に代理すること

 行政庁の処分を受けた者がその処分に不服がある場合、裁判所に処分の取消しを求める方法のほか、行政に対して不服を申し立てる方法が認められています。

 従来、これらの方法を依頼者に代わって行うことができるのは弁護士のみでしたが、特定行政書士法定研修を受講し、研修の最後に実施される考査試験に合格した行政書士(特定行政書士)も、一定の行政に対する不服申立てについては依頼者に代理することができるようになりました。

(写真:Shutterstock)
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行政書士の資格を取得した後はどうなるのか?

 行政書士という資格は、従来、個々に事務所を設置し、個人事務所として独立開業するというスタイルが一般的でした。

 しかし近年は、複数の行政書士が集まって共同事務所や行政書士法人を設立し、先輩行政書士の使用人、もしくは、行政書士法人の使用人として実務をこなす人も増えつつあります。

 また、税理士・社会保険労務士・司法書士など、他の士業の人たちと合同事務所を設立する人も増えつつあります。

 必要とする関連手続を1 か所ですべて完了できるワンストップ・サービスを可能にすれば、市民の利便に資することはもちろん、事務所経営としても安定することでしょう。

 そして、これらの他の士業は、行政書士試験合格後のキャリアアップとしても有益です。そういった意味で、行政書士の業務のスタイルというものは、今後ますます多様化していくと考えられています。

<他士業の主な仕事紹介>
・弁護士……………訴訟に関する書類の作成やその代理
・司法書士…………不動産や会社の登記簿に関する書類の作成
・社会保険労務士…労働や社会保険に関する書類の作成
・公認会計士………監査業務のほか、会計、税務に関する業務
・税理士……………税金に関する書類の作成やその提出代理
・弁理士……………発明に関する特許庁への出願申請書類の作成
・不動産鑑定士……不動産の鑑定評価に関する業務

本格的な学習を始める前の「はじめの1冊」

本書は、行政書士試験そのものや憲法、民法などの各科目の基礎知識、そして体系を、法律の勉強が初めてでもわかりやすくイメージできるようまとめてあります。最初に全体像を押さえておくと、本格的な学習に入ったときの理解度に差が出ます!

伊藤塾編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)

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