マイホームを持ちたい、リフォームしたいと思ったときに、最新情報や知識の収集に役立つのが「建築本」です。2025年を振り返ると、建物の省エネや構造に関する法改正で、住まいづくりのルールが大きく変わった1年でした。日経BPが出版した書籍から、日経クロステック建設編集長の佐々木大輔がお薦めする建築本3冊を紹介します。建築のプロにも、建築や住宅に興味を持ち始めた人にも分かりやすく要点をつかめる内容としています。

(写真:日経クロステック)
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実例から学ぶ「結露」「カビ」の徹底対策

 最初に紹介するのは、新刊の『 達人が図解!高断熱住宅の結露・カビ徹底対策 』(住まい環境プランニング、本間義規・著)です。省エネ住宅の普及で断熱・気密性能が高まる一方、結露・カビのトラブルが増加。雨ぬれによる「初期結露」や、高温多湿な外気で起こる「夏型結露」など、これまであまりなかった不具合への対応も重要になっています。本書の著者である住まい環境プランニングは、こうした住宅の結露・カビ問題に20年以上にわたって向き合ってきたエキスパートです。

(写真:日経クロステック)
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 本書の特徴は、徹底的な現場目線にあります。なかでも第2章「結露・カビ事例を図解」は必読です。「半月で基礎断熱がカビだらけに」「気密施工したコンセントにカビ」――。収録されたトラブル事例は驚きの連続です。こうしたトラブルをどう防いでいくか。1つひとつ図解しながら、原因と対策を分かりやすく解説しています。

 さらに施工チェックリスト、結露を防ぐ納まりの工夫を盛り込んだ断面図も収録。これから住宅を建てたい方、リフォームを考えている方、設計・施工者の皆さんにも必携の1冊です。

「エコハウス」の誤解を正す

 続いては、『 エコハウスのウソ2030 』(前真之・著)です。エコハウスに注目が集まる中、健康・快適で電気代も安心な「ホントのエコハウス」は実現できているのか。建築環境工学を専門とする東京大学准教授の前氏が、こうした疑問に真っ向から切り込みます。

(写真:日経クロステック)
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 この本の面白さは、目先の流行や業界の常識に流されがちなエコハウスを巡る誤解に、データや分析で反証していく痛快さにあります。「ZEH水準で2030年もバッチリ?」「トップランナー制度で窓は良くなった?」――。読者の思い込みをほぐし、「なるほど!」と思わせる鋭い指摘が随所にあります。住宅のつくり手はもちろん、新築やリフォームを検討している一般の方にも自信を持って薦めたい内容です。

法改正で変わったリフォームのルールを解説

 最後に紹介するのが、『 確認検査員が解説 増改築の法規入門 増補改訂3版 』(日経アーキテクチュア+ビューローベリタスジャパン・著)。「どの工事に建築確認が必要なのか」「リフォームをしたいけれども法律が難しい」――。そんな疑問やお悩みに、ベテラン確認検査員が60のQ&Aで分かりやすく法文を解説してくれます。

(写真:日経クロステック)
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 2025年施行の法改正で特に大きな変化となったのが「4号特例」の見直しで、2階建て木造戸建て住宅の大規模リフォームなどにも確認申請が必要となりました。本書は法改正に対応して改訂したもので、省エネ基準適合義務化についても解説しています。設計者・施工者はもちろん、住宅をリフォームしたいけれども法律に不安がある方にも安心の1冊です。

 「手前みそ」ではありますが、これまで紹介してきた3冊は、どれも今知っておきたい知識がギュッと詰まった1冊です。2026年の新たなスタートに向けて、気になる1冊を手に取っていただければ幸いです。

日経クロステック 2025年12月26日付の記事を転載・一部改訂改題]

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