現役エンジニアであり、YouTubeのチャンネル登録者数10万人超のインフルエンサーでもある著者によるプログラミングの入門書『 現役エンジニア&インフルエンサー セイト先生が教えるプログラミング入門 』。本書では、近年非エンジニアのビジネスパーソンの間でもニーズが高まっているプログラミングスキルについて、コンピュータサイエンスの基礎からアプリケーション開発まで幅広く解説しています。この本の魅力を合同会社エンジニアリングマネージメントの社長である久松剛さんが語ります。
学習環境は整備されたが、挫折する初学者も
私がITエンジニアを志した2000年当時、プログラミングスキルを身に付けようとすると大学の授業で教わるか、表紙からして小難しい書籍を手に取って試行錯誤するかというくらいしかありませんでした。そのため学習序盤で挫折する人が少なくありませんでした。2024年現在となってはオンライン、オフライン共に学習コンテンツが充実し、学習をサポートするサービスも多数存在しています。加えてプログラミングを構成する言語体系の進化や、周辺フレームワーク、ライブラリの進化によりハマりやすいポイントのマスキングが進み、学習ハードルそのものが下がったという背景もあります。特に2023年から急速に普及しているChatGPTをはじめとする生成AIは、プログラミング学習のサポートとしても利用されるようになりました。
しかし学習の裾野は広がったにもかかわらず、挫折してしまう初学者の方は少なくありません。学習に関する情報が多すぎることにより何をどう参照すればよいか分からなかったり、学習の途中で他の学習コンテンツや技術に目移りしたりしてしまうということが原因として挙げられます。
独学でも挫折しないための工夫が詰まった良書
本書では一般的なプログラミングに関するイロハが書かれているのはもちろんですが、プログラミングスクールを経営・指導している著者ならではの「初学者が陥りやすいポイント」について、事例を含めて多めに紹介されていることが興味深いと感じました。個人的には「昔、自分もそういうところで躓(つまず)いたな」「後輩からこういうポイントはよく質問されたな」などと懐かしさすらも湧くほどでした。
また、本書では公式ドキュメントも含めた技術文書の読み方、Google検索の仕方、生成AIの利用方法にも触れられています。特に技術文書などは慣れないうちはとっつきにくいことから後回しにする方もおられます。若い方であれば普段の私生活での検索がYouTubeやInstagramといった画像ベースのものであることも多く、テキストベースであるGoogle検索とは馴染(なじ)みが薄い方も見られるようになりました。「どのように直面した問題を解決していくか」という事象に対し、言語化しながら検索する壁があります。こうした事象は経験者エンジニアとの間でも世代間ギャップが大きく、質問しにくい項目です。
本格的にエンジニアを目指している方だけでなく、一度トライしてみて挫折してしまった方や、他職種に従事中で自身の周りの業務改善をプログラミングを用いて実施したいという方にも手に取っていただきたい一冊です。独学であっても挫折しないようにポイントが書かれた良書です。
