帰省のお供に! スマホに苦手意識があるシニア世代を、家族の立場から支えるプロのサポート術を紹介。「教えているとついケンカになりがち」「親が詐欺に遭わないか心配」と悩むお子さん世代に、親子関係がもっと楽になるヒントをお届けします。今回は、「アレね」で伝わるスマホ専用ノートのすすめです。(本連載は、書籍『家族みんなが楽になる!親にスマホをもっと使ってもらう本』に収録されている内容から一部を抜粋してお届けします)
お母さんのスマホを無事に買って自宅に帰ってきた息子さん。これからスマホの初期設定です。お父さんのときはどうしたのか、ふと気になり聞いてみました。

息子:よし、お母さんのスマホ買えたね
母親:ありがとう。なんだかたくさん書類を渡されたわね
息子:うん。これも整理しないとね。そういえば、お父さんは契約したときの書類とかあるの?
父親:おう、あるぞ。ちょっと待て……これだ!
息子:わあ、買ったままの書類やら箱やら、全部取ってあるの? 契約書はどこ?
父親:わからん。でも何も捨てていないから、きっとこの中のどこかにあるだろう
息子:わかりづらいなあ。ほとんどの紙は、ただのチラシだよ
父親:そう言われても、どれがいらないのか、わからないからなあ
母親:お父さんの部屋、こういう書類や箱がたくさんあるのよ……
買ったままの書類の束がどっさり……
これはあるあるではないでしょうか。スマホ講座にいらっしゃる生徒さんも「先生、ここに大事なものは全部入っていますので!」と、A4サイズの分厚い封筒を持っていらっしゃる方がたくさんいます。
でも、書類のほとんどはキャンペーンのチラシだったりして、本当に必要な書類を発掘するのは、結構手間がかかります。そこで強くおすすめしたいのは「1冊のスマホ専用ノートを作る」ことです。
「アレね」で伝わるスマホ専用ノートを作る
スマホを安全かつストレスなく使うために、私の生徒さんには 「スマホ専用ノート」を作ることをおすすめしています。
スマホでよくあるトラブルのひとつに「本人しかわからないパスワードを忘れてしまう」というものがあります。いざ使おうと思ったときに思い出せず、復活させるまでに手間がかかる。子ども側も、ついイライラしてしまって「どうしてちゃんと覚えてないの!」と責めてしまう。こうした体験のせいで、スマホが嫌いになってしまうことも少なくありません。
IT初心者の方ほど「パスワードは全部暗記するもの」というイメージをお持ちのようです。しかし、そうすると同じ短いパスワードを使い回すことになりがちで、かえって危険が増えてしまいます。スマホに関するパスワードはすべて1冊のノートにまとめて、普段は忘れてしまっていいんです。
ノートはゆったり、1ページに1つのことだけ
ノートは、文具店で売っている普通のA5くらいのノートで構いません。何冊もに分かれてしまうと大変ですので、40枚や50枚など、ページ数が多いものを1冊用意してください。
守っていただきたいのは 「ノートの紙面を節約しないでぜいたくに使う」ことです。ノートを使うときは、余裕をもって、1ページに1つのことを書くようにしましょう。
親御さんの世代の方はきっちりとノートを取ることに慣れていることも多く、ページの隅から小さい文字で書いていってしまいがちです。しかし、目的は「後から見たときに探しやすい」ことです。せっかく書いても、あとで結局「どこに書いてあるかわからない」となってしまうともったいないですよね。
最初は、重要なアプリやサービスを選んで英数字をメモするのも大変なので、ノートを使い始めるときは、お子さんがリードして何ページか作成しつつ、親子で一緒に作っていきましょう。そのときは「ぜいたくに大きく書く」ということを忘れないでください。

困ったときに「アレに書いてあるよ」だと話が早い
スマホ専用ノートは、親御さんが自宅で管理します。管理するといっても、置き場所を覚えていて、いつでも出せるようになっていればOKです。
お子さんは、スマホ専用ノートを使い始めるとき、また新しいサービスを使い始める手伝いをするときなどに、このノートに重要な情報を、一緒に書き加えておきます。
「たいがいの情報はこのノートに書いてある」とわかっていれば、お子さんもパスワードがどう、あれがこう、といちいち覚えていなくてもよくなります。電話やLINEで質問されたときに「アレを持ってきてみて。この辺に書いてあるよ」と言えばよくなります。
もちろん他人に見せるのは厳禁ですが、家族であれば、念のため、ノートの内容を写真などで記録しておくこともできますね。もし控えを取るときは、親子間といえども勝手にやらずに、きちんと「このページ、こちらでも控えを持っていていい?」と断ってから記録を取るようにしてください。

増田由紀著/日経BP/1870円(税込み)
