帰省のお供に! スマホに苦手意識があるシニア世代を、家族の立場から支えるプロのサポート術を紹介。「教えているとついケンカになりがち」「親が詐欺に遭わないか心配」と悩むお子さん世代に、親子関係がもっと楽になるヒントをお届けします。今回は「スマホはタップが7割」というお話を。(本連載は、書籍『家族みんなが楽になる!親にスマホをもっと使ってもらう本』に収録されている内容から一部を抜粋してお届けします)
今日は、小学生の孫の学芸会。陽気もよい季節なので、娘さんは実家の親御さんも誘ってみました。グループで、ヒップホップのダンスを披露しました。

父親:ダンスを踊っているときに、スマホでビデオを撮りたかったが撮りそびれてしまったよ(しょんぼり)
娘:カメラのアプリを押せば、すぐにビデオが使えるよ
父親:それが、カメラがなかなか開かなかったんだよ。これだろう?
娘:ああ〜違う違う! お父さん、それ、押しすぎよ!
父親:押すっていうから押してるだけだろう。どこが違うんだ?
娘:スマホはもっと軽く押すんだよ。そんなにギュウギュウ押したら、長押しになってメニューが開いたりしちゃうよ
父親:そうなのか。でも、いつもちゃんと押してると思うんだけどなあ
娘:軽く触るだけでいいんだよ。やってみてよ
父親:見られていると緊張するなあ
「ここ押して」は禁止ワード!
スマホの操作に慣れていないと、つい力が入りすぎて画面をギュウギュウ押して長押しになってしまう……これもよくあるケースです。これは説明の仕方にも責任があるかもしれません。
スマホの操作は「タップが7割」です。初めてスマホを使い始める場合は、タップが自然にできるようになれば最初の成果としては満点といえるでしょう。
シニアの方にとって「押す」といえば、「ボタンを押す」「電卓のキーを押す」といったように、しっかりと何かを押し込む動作が身に染み込んでいます。
ですから「押して」と言われたら、反射的にギュウっと押してしまうのは、あたりまえです。それなのに「ああ~違う違う!」と大きな声で言われると、否定された気分になったり、イライラしたりもするでしょう。
実は私も、以前は生徒さんに「押してください」と言っていた時期がありました。でも、それではなかなかうまくいかなくて、「画面を押す」という表現は封印することにしました。
タップは「ゴマつぶを指でひろう」強さで
タップは、指の腹を使って、液晶の画面の上をそっと触れる程度の操作です。強く押さえたり、長く押さえたりすると、別のメニューが開いてしまいうまく操作ができません。ただし、あまりにそっと触れると、反応しないこともあります。
そこで私は、「テーブルに落ちたゴマつぶを指の腹でひろうようにしてください」とお願いしています。

では、親御さんと一緒に、試してみましょう。
まずは、タップに使う指の状態をチェック。人差し指がやりやすいでしょう。とくに、指が乾燥しがちな方、冬場などは、指が反応しづらくなります。ハンドクリー ムをちょっとだけ付けてから、なければ指先にハーッと息を吹きかけてから操作をするのもおすすめです。
指の腹を使って画面をタップします。アプリのアイコンの真ん中にゴマつぶが落ちていると思って、それを指の腹で拾い上げる動作をしてみてください。ポイントは、押しっぱなしにするのではなく「拾い上げる」というところです。アプリが開きましたか? これが「タップ」の操作です。
あまりに爪が長いと、少し押しづらいかもしれません。爪の先や指の先端を当てると、反応しにくいことがあります。指の腹の先あたりをゴマつぶに当てるイメージを大切にしましょう。
専門用語は最低限に
機種によってホーム画面の戻り方が違います。ここがお子さんの出番です。親御さんのスマホはどのようにすればホーム画面に戻るのか、しっかり確認してください。
また「タップ」以外の専門用語を使わなくても説明できるようにしておくとよいでしょう。例えば画面をさっと動かす「スワイプ」は、ときどき出てくる操作ですが、「棚の上のほこりをサッと指で払うような感じで指を動かしてみて」などと伝えてみるのも有効です。
「タップ」だけはよく出てくるので、カタカナと操作を一緒に覚えてもらうとお互いに都合が良いのですが、ほかの用語は擬音語などに言い換えて、なるべく親しみやすくしましょう。
百均のタッチペンも優れもの
男性などで、指が太くてアイコンが隠れて押しづらいとか、指がカサカサしていてどうもダメ、という方もいらっしゃいます。また、指先に力がうまく入らない方もいらっしゃいます。
そんなときは、百均などで売っている、タッチペン(ペン先にプラスチックの輪っかがついているもの)を買ってきて試してみるのも手です。手帳を使うことには慣れている方も多いので、手元が見やすい、力加減もしやすいなど、指先でどうも上手くいかない方からは、「とても楽」と好評です。

増田由紀著/日経BP/1870円(税込み)
