宮城大学名誉教授・田邉信之氏が、著書『 基礎から学ぶ 不動産投資・証券化ビジネス 市場の読み方、戦略の立て方、投資判断のポイントまでわかる! 』を朗読します。不動産と金融の基礎から最新動向まで、実務に役立つ知識を体系的に学べる一冊です。
【動画】田邉信之が朗読『基礎から学ぶ 不動産投資・証券化ビジネス』
【おわりに】
本書出版のきっかけは、新たな成長局面を迎える不動産投資・証券化ビジネスについての書籍を、前著の全面改訂版として執筆しませんかという打診を、日経BPからいただいたことにあります。大変良い機会だと考えて快諾したものの、不動産投資・証券化ビジネスが本格的に稼働してからの約30年間に、市場に蓄積された知見は膨大なものがあり、その一部を書籍としてまとめるだけでも、想定以上の時間を要することになりました。浅学非才の身ゆえに、あるいは大切なポイントが抜けていたり、不十分な表現にとどまっていたりする点もあるかもしれませんが、限られた紙幅でもあり、ご容赦いただければ幸いです。
本書の執筆は、不動産投資・証券化ビジネスの将来に向けたポテンシャルを再認識する有意義な機会にもなりました。わずか30年間に、不動産投資・証券化市場は、不動産と金融が融合する70兆円をはるかに超える壮大なプラットフォームを築き上げてきました。いまでは、市場関係者の間で共通の用語や投資判断基準などが用いられるようになり、グローバルな資金も飛び交うようになっています。また、市場の信頼性を維持・向上するためのコンプライアンスも、市場に浸透してきています。
この壮大なプラットフォームには、成長に向けた仕組みも組み込まれています。不動産と金融という二つの市場(ツーサイド)から構成され、それぞれの市場の成長を取り込めるだけでなく、不動産証券化などを通じて、その相乗効果から生じる新たな成長機会をも取り込めるようになっているのです。
そもそも不動産市場だけでも、オフィスビルや住宅、商業施設だけでなく、物流施設、ホテル、ヘルスケア施設、データセンターなどへと投資対象が拡大してきています。さらに、空港や有料道路、上下水道などのインフラの一部にも広がり始めました。「不動産」のカテゴリーは、経済的にはどんどん拡大しているのです。業種を問わず、大多数の企業が何らかの形で不動産とかかわっているので、その潜在的な市場規模は膨大なものがあります。
金融市場も、自由化の進展やデジタル化・AI(人工知能)の普及などを通じて、その形態を変貌させつつ新たな成長を続けています。ツーサイド・プラットフォームでは、その両者の融合による新たなビジネスチャンスも生み出されており、その成長に向けたポテンシャルは、極めて大きいといえるでしょう。
筆者は偶然にも、不動産投資・証券化ビジネスの成長過程を、実務家や研究者の立場から30年間にわたって見る機会に恵まれました。その間の市場創造・発展に向けた市場関係者の熱意やご尽力を垣間見ることができ、このビジネスの幅の広さ、奥行きの深さも感じてきました。本文でも触れたように、いまや不動産投資・証券化ビジネスは、不動産会社や金融機関だけでなく、多くの企業や公的機関も関係するものとなっています。多くの方々が、不動産投資・証券化ビジネスに対する関心や理解を深めることに、本書が少しでもお役に立てれば幸いです。
<内容紹介>
『基礎から学ぶ 不動産投資・証券化ビジネス 市場の読み方、戦略の立て方、投資判断のポイントまでわかる!』