内容紹介
最新の世界経済の基礎知識と未来展望がこの一冊を読めば簡単に頭に入ります!
コロナ禍からの回復の継続を見込んでいた2022年の世界経済は、2月のロシアのウクライナ侵攻により、前年から一転して厳しい年になりました。歴史的な高インフレの中、経済の先行きに対する不透明感が高まっています。
「日本経済に関するニュースを見ているだけでも、変化が激しくて先を読むことが難しいのに、世界経済の動きともなると、複雑な要素が絡み合っていて現状を理解するだけでも大変……」。そんなビジネスパーソンの悩みに応えるべく、本書では大和総研の選りすぐりのエコノミストたちが、世界経済を理解する上で必要な基礎知識を、やさしく、わかりやすく解説します。この一冊さえ読めば、世界経済に関する基礎知識を習得すると同時に、世界経済の展望が簡単に頭に入る構成になっています。
[米国経済]好調な雇用と個人消費がインフレに耐えられるか
[欧州経済]回復見込みから一転、「プーチン禍」で課題山積
[中国経済]コロナ政策への固執と不動産不況
[新興国経済]先進国の政策に翻弄されながら、コロナ禍からの再建に挑む
[日本経済①]世界景気の悪化で不透明感強まる経済の先行き
[日本経済②]インフレの先行きと金融政策正常化に向けた課題
[ESG投資]ロシアのウクライナ侵攻がESG投資に与えた影響
◎目次
第1章 2023年「世界経済の8大注目ポイント」はこれだ!
1 歴史的な高インフレ──上昇ペースは鈍化するが高止まりの懸念も
2 世界的な金融引き締め──インフレ抑止優先で緩和の可能性は低い
3 膨らむ新興国の債務リスク──資金流出に歯止めがかかるか
4 欧州のエネルギー危機──当面は「脱炭素」よりも「日々の生活」優先
5 深刻化する食料危機──食料難の低所得国への恒常的支援をどう実現するか
6 民主主義と権威主義の対立先鋭化──最悪シナリオは「ロシア戦勝+トランプ当選」
7 経済安全保障とサプライチェーン──転換点を迎えた経済グローバル化
8 中国「ゼロコロナ」政策の行方──習総書記3選後に緩和か
第2章 [米国経済] 好調な雇用と個人消費がインフレに耐えられるか
1 「景気減速・高インフレ」に直面する米国経済
2 個人消費の先行きは雇用環境とインフレ次第
3 引き締め的な金融環境は2023年後半まで継続
4 中間選挙後のバイデン政権の展望
第3章 [欧州経済] 回復見込みから一転、「プーチン禍」で課題山積
1 ロシア産エネルギーへの依存が裏目に出たEU
2 エネルギー高騰以外のインフレ加速要因
3 高インフレへの対応を迫られるECB
第4章 [中国経済] 「ゼロコロナ」政策への固執と不動産不況
1 100年で3回目の歴史決議で習近平体制3期目の地ならし
2 ロシアのウクライナ侵攻が中国経済・中台統一問題に与える影響
3 政府成長率目標は5.5%前後に設定
4 第2次コロナ・ショックで中国経済は失速
5 2022年の中国経済動向と2023年の見通
6 不動産に依存した経済発展モデルの終焉
第5章 [新興国経済] 先進国の政策に翻弄されながら、コロナ禍からの再建に挑む
1 ウクライナ危機下の新興国
2 2023年の新興国経済
3 本格化する財政再建
4 2023年のロシア経済の見通し
第6章 [日本経済①] 世界景気の悪化で不透明感強まる経済の先行き
1 日本経済のメインシナリオとリスクシナリオ
2 経済正常化に伴う日本経済の3つの「伸びしろ」
3 円安の影響、半導体不足と電力需給ひっ迫問題の行方
第7章 [日本経済②] インフレの先行きと金融政策正常化に向けた課題
1 30年ぶりの高インフレの特徴と先行き
2 今回の物価高が家計や企業にもたらす影響
3 黒田日銀による金融緩和策の成果と課題
第8章 [ESG投資] ロシアのウクライナ侵攻がESG投資に与えた影響
1 ロシアによる侵攻後の経済・金融資本市場の動き
2 ロシアによる侵攻がESG投資に与えた影響