内容紹介
アメリカ追い落としへの秘められた戦略天安門事件、湾岸戦争、ソ連崩壊を契機に開始された大戦略。
米政権中枢で対中戦略を担う著者が、その本質と全容を徹底解剖する。
相次ぐ高い評価!
「中国が保持しているレーニン主義的な体制と戦略の本質を見通す、歴史を踏まえた洞察」
――ケヴィン・ラッド、元オーストラリア首相/現・駐米大使
「中国研究の古典となり、アメリカの最良の対中戦略を考え抜こうとするすべての人の必読書となるだろう」
――スーザン・シャーク、カリフォルニア大学サンディエゴ校教授兼21世紀中国センター名誉所長
「中国が突きつける挑戦に立ち向かう人は誰もが本書を読まなければならない」
――グレアム・アリソン、ハーバード大学ケネディ行政大学院教授
「習近平が大胆不敵にも掲げる「中国の夢」の歴史的な論理構成を最も巧みに解明した書籍を探している人は、『中国の大戦略』を手に取るべきである」
――オーヴィル・シェル、アジア・ソサエティ米中関係センター所長
「ラッシュ・ドーシは非常に多くの一次資料を用いて、中国の大戦略の起源と、その勝算の大小について、前例のない検証作業を行っている」
マイケル・J・グリーン、『安倍晋三と日本の大戦略』著者
■冷戦の終結以降、中国はまず地域レベルでアメリカを追い落とすための大戦略(グランド・ストラテジー)を推し進め、今ではグローバルなレベルで展開している――。これが本書の主張だ、
■中国の覇権戦略は習近平時代に突如、始まったものではない。天安門事件、湾岸戦争、ソ連崩壊という三大イベント後に、中国はアメリカの位置づけを準同盟国から最大の脅威へと変えた。鄧小平時代に構築された対米戦略構想は、阻止戦略から秩序構築戦略、そしてさらに拡張戦略へと次元を高めていき、いまやグローバルな舞台で展開されるようになった。
■本書は中国共産党の戦略構想の歴史、アメリカを追い落とす戦略が軍事、政治、経済にわたって組み立てられ、実行に移されていったロング・ゲームの実態を明らかにし、さらに、世界規模での秩序構築を目指し覇権を奪取しようとする中国の意図を読み解く。
■そして、中国との対決戦略論、中国とのグランド・バーゲン(大取引)論のいずれも、アメリカ国内の制約条件、中国側が抱く長期的な計略を軽視しているとして退け、アメリカは中国に対し物量で正面から対抗するよりも、相手の弱みを鋭く突く非対称的な競争戦略を進めるべきだと説く。
■著者は、有力シンクタンクのブルッキングス研究所で中国戦略研究プロジェクトを立ち上げ、現在、バイデン政権の国家安全保障会議で中国・台湾を担当、アメリカの対中戦略の中枢を担う逸材。本書は圧倒的な密度と網羅性をもつ徹底した公開情報の調査をもとに執筆された。中国の大戦略を歴史的なプロセスをもとに説き明かす決定版。
目次
謝 辞序 章
第1章「一貫性のある思考と行動の枠組み」 大戦略と覇権国を中心とした秩序
第2章「党がすべてを指導する」 ナショナリズム、レーニン主義、中国共産党
第Ⅰ部 「能力を隠して好機を待つ」(韜光養晦(とうこうようかい))
中国による追い落とし戦略の第一段階 : 阻止(1989 ― 2008年)
第3章「新冷戦が始まった」 三大イベントと新たなアメリカからの脅威
第4章「暗殺者の鎚矛を握る」 軍事面での阻止の実行
第5章「本心を隠して穏やかに接する」 政治面での阻止の実行
第6章「恒久的通常貿易関係」 経済面での阻止の実行
第Ⅱ部 「なすべきことを積極的になす」(積極有所作為)
中国による追い落とし戦略の第二段階 : 構築(2009 ― 2016年)
第7章「パワー・バランスの変化」 金融危機と構築戦略の幕開け
第8章「より攻撃的な手を打て」 軍事面での構築の実行
第9章「地域の枠組みを確立する」 政治面での構築の実行
第10章「我々の開発列車にようこそ」 経済面での構築の実行
第Ⅲ部 「100年に一度の大変動」(百年未有之大変局)
中国による追い落とし戦略の第三段階 : グローバルな拡張(2017年以降)
第11章「世界の中央ステージに向けて」 アメリカの衰退と中国のグローバルな野心
第12章「堂々と立って遠くを望む」 中国のグローバルな拡張の方法と手段
第13章中国との競争に向けたアメリカの非対称戦略
終 章
補 遺
原 注
