内容紹介

【勝敗を決する陸上戦力運用の論理を多角的に解説】
 陸地は海・空と違い占有が可能であり、戦争の最後の勝敗を決するのは陸上戦力と位置づけられる。空、宇宙、サイバー空間支配の重要性が高まっているが、ウクライナ危機に見られるようにサイバーの前哨戦を終えた後はやはり地上の支配をめぐるランド・パワーの戦いとならざるを得ない。それゆえ、ランド・パワーは人類が永遠に追い求め、守る対象なのである。経済安全保障をはじめとする安全保障論議が身近なものとなっている日本においてもランド・パワーに関する知識は国際政治を理解するうえで欠かせない。本書は、古代ギリシア、第一次世界大戦、第二次世界大戦、ヴェトナム戦争、イラク戦争などの戦争を題材に、軍事ドクトリン、ロジスティクス、インテリジェンス、連合・統合作戦、国民総武装、水陸両用戦争・作戦、エアランド・バトル、デジタル化などからランド・パワーの本質に迫る。
 

目次

 第Ⅰ部 ランド・パワーの理論
第1章 ランド・パワー―― 1900~2000年(ブライアン・ボンド)
第2章 ランド・パワー――その過去、現在、将来(石津 朋之)
第3章 軍事ドクトリン――知性の戦力化(齋藤大介)
第4章 ランド・パワーとロジスティクス(石津朋之)
第5章 ランド・パワーにおける指揮(齋藤大介)
第6章 ランド・パワーにおけるインテリジェンス――日本陸軍を事例として(井上嘉史)

 第Ⅱ部 ランド・パワーの歴史
第7章 古代ギリシア・ローマの戦争――戦いの叡智と知られざる重火器以前の戦争(フィリップ・セイビン)
第8章 西部戦線での統合あるいは諸兵科共同作戦――1918年(デイヴィッド・スティーヴンソン)
第9章 第二次世界大戦における連合・統合作戦――イギリスとアメリカを中心に(ウィリアムソン・マーレ―)
第10章 国民総武装――ヴェトナム戦争を中心に(斎藤達志)
第11章 シー・パワー的ランド・パワーとしての水陸両用戦争・作戦――日本軍を事例として(二宮充史)
第12章 日本陸軍における水陸両用師団の運用――太平洋戦争期の第5師団の場合(立川京一)
第13章 内線作戦と外線作戦――ランド・パワーとビルマ防衛作戦(斎藤達志)
第14章 日本陸軍の宣伝戦――南方軍の「宣伝戦」を中心に(岩上隆安)

 第Ⅲ部 ランド・パワーの現在と将来
第15章 エアランド・バトルと現代戦(カーター・マルケイジアン)
第16章 陸軍のデジタル化とイラク戦争――戦場の情報化(阿部昌平)
第17章 ランド・パワーの将来構想の軌跡と展開――アメリカ陸軍マルチ・ドメイン・オペレーション構想を中心に(小橋史行)