内容紹介
「こんないい加減なもの、今すぐやめろ!」「うちは、町の発明家じゃないんだぞ!」
「もういい。おまえは出ていけ!」
誰も見たことのない"怪しい道具"に不審を抱く経営陣。
開発者たちが浴びたのは、6年にもわたる「ダメ出し」の連発。
いっそ、会社辞めて独立しようか?
GOサインのないままテスト販売を強行、裏でひそかに進む全国発売の準備。
開発者たちをここまで突き動かしたものは何なのか?
絶対に負けられない戦いが始まった――。
世界の掃除を変えた革命的ヒット商品「クイックルワイパー」誕生の知られざる苦悩と、6年にわたる経営陣と異端開発者との激しいバトル――。日本トップの日用品・消費財メーカーの花王で繰り広げられた「モノづくり」の舞台裏を、上席執行役員が過去の記録と記憶を基に赤裸々につづったのが本書。
時は昭和から平成に変わろうとしていた頃。日本の住環境は、畳からフローリングへと移行しつつあった。そんな時代の流れを察知した花王の研究所に勤める開発者は、フローリング用に新しい「掃除道具」の開発に取り組み始める。モニターテストの反応は上々。約250億円規模の新市場の芽。様々なデータが成功の可能性を示していた。
自信満々の開発者だったが、当時の会長や社長から強烈な「ダメ出し」を受けてしまう。その後も改良を重ね、技術的課題を克服しながらプロトタイプは進化を続けたが、どういうわけか"経営トップ"のハードルが越えられない。「なぜ、これが認められないんだ……」経営陣の理不尽とも思える反応に、途方に暮れ、迷走する開発者たち。それでも諦め切れない彼らは、現場判断で、もはや後戻りできないところまで突っ走ってしまう。普通であれば、それはもう"暴走"と呼ぶに等しい行為だった――。
最後の最後まで、経営陣から正式な「GOサイン」をもらえなかった「ダメ出し商品(クイックルワイパー)」を、開発者たちはいかにして全国発売までこぎ着け、やがて世界で累計6200万本も販売するという"革命的商品"へと変貌させたのか。本書につづられた、巨大企業を動かす人間同士の生々しい「挑戦の物語」を通し、モノづくりの面白さ、イノベーション、日本が世界で勝負するためのヒント、そして今注目が高まっている「エフェクチュエーション」を理解することができるでしょう。失敗が怖くて前に踏み出せないとき、物事が思うように運ばないときにも、立ち向かう勇気がもらえる1冊です。
●目次
はじめに クイックルワイパー開発秘話の不思議な力
序章 一生忘れられないシーン
第1章 解散寸前! 赤字続きの紙事業
第2章 世の中にない掃除道具の開発に挑む
第3章 経営陣から浴びた再三の「ダメ出し」
第4章 GOサインなき前進
第5章 俺たち、はしごを外された?
第6章 崖っぷち! 見放されたテスト販売の行方
第7章 発売の衝撃、日本全国を走る!
第8章 大ヒット商品の宿命! 模倣品との戦い
最終章 失敗を恐れるな! 「ダメ出し」は革新の種
おわりに
