不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は「空飛ぶクルマ」が商用化へ進む「次世代モビリティ」業界だ。
次世代の移動手段として、開発競争が進んでいるのが数人乗りの垂直離着陸機(VTOL)だ。タクシーのような都市内の近距離移動、ヘリコプターに近い中距離移動などをにらんでの開発が進む。渋滞に影響されず、より柔軟な空路移動につながるとの期待が高まっている。
主流は、環境負荷を抑えられる電動のeVTOLだ。新興企業が実用化に向けた開発を先導する。
最近の動向
米国や欧州、中国など各地で新興企業が認証の取得、実験、商用化に向け準備を進めている。最近はドバイやアブダビなど中東でも機体メーカーの誘致が進む。
実用化にあたっては管制システム、サービス、離着陸場などのインフラも必要になり、航空会社や自動車メーカーなども出資や事業開発に乗り出している。
日本では国際博覧会(大阪・関西万博)でデモ飛行が行われた。大阪府をはじめ社会実装に向けた取り組みを公表する自治体も増えており、海外機体メーカーからも有望な市場として注目を集めている。普及にあたっては安全性の担保や騒音を抑える技術開発なども重要になる。
業界規模
eVTOL航空機の世界市場規模:33億ドル(4755億円)(2025年予想、プレシデンス・リサーチ)
キーワード
【認証基準】
各国、地域が安全性を担保するために機体の認証基準を規定している。機体だけでなく離着陸場や運転者の要件など、今後ルール整備が進む分野も多い。ルール作りでの産官連携も焦点になる。
業界団体等
次世代空モビリティ(経済産業省 製造産業局 航空機武器宇宙産業課 次世代空モビリティ政策室):https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/robot/airmobility.html
[日経クロステック 2026年1月5日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
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