不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。生成AIや衛星直接通信に売上拡大を見出す「通信キャリア」業界を見ていこう。
光回線など固定通信と携帯電話など移動通信に大きく分かれる。典型的なストック型ビジネスであるため、携帯電話事業大手3社の利益水準はいずれも国内有数の規模を誇る。
最近の動向
2020年以降は官製値下げを契機に個人向けの料金収入が減少した。ARPU(1契約あたりの月間平均収入)は25年3月期までに上位3社が底打ちした。各社は動画配信や衛星直接通信を柱に料金単価の底上げを急ぐ。
法人市場での販路拡大にも動く。人工知能(AI)の活用を売り込む。ソフトバンクは米オープンAIとAIエージェントを共同開発、NTTデータも同社とAIサービス販売で提携する。
生成AIのコア技術である大規模言語モデル(LLM)ではKDDIが有力ベンチャーを子会社化し、ソフトバンクも国産LLMの商用化を予定する。KDDIとソフトバンクはデータセンターの開発にも注力する。
楽天モバイルは25年度に携帯事業をEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)ベースで黒字化する計画だ。契約数は900万件を超えたがシェアは1割未満で既存3社との差は大きい。
業界規模
携帯電話契約数:2億1655万件(2025年3月末、電気通信事業者協会)
キーワード
【HAPS(空飛ぶ基地局)】
アンテナを載せた無人機を地上約20キロメートルの成層圏に飛ばし、上空から電波を飛ばす。災害対策のほか、通信の空白地帯をなくす技術として期待が高まる。NTTドコモが2026年の商用化を目指す。
[日経クロステック 2026年1月16日付の記事を転載]
日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)



