不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。今回は国家戦略技術6分野に指定され、商業利用が加速する「宇宙ビジネス」業界だ。

 宇宙ビジネスはイーロン・マスク氏率いるスペースXに代表されるロケット打ち上げと人工衛星の製造と運用に大別される。

 人工衛星は軌道別に高高度を地球の自転と同じ速度で回る「静止軌道衛星」と「低軌道衛星」に分かれる。静止軌道衛星は比較的大型の衛星での運用が適しているのに対し、低軌道衛星は小型でも運用ができる。

最近の動向

 ロケットの打ち上げビジネスはスペースXの独走が続いている。同社が開発した大型ロケット「ファルコン9」は世界に先駆けて機体の一部の再使用に成功。打ち上げコストの削減とともに、高頻度化も可能にした。

 スペースXは大量の小型通信衛星による通信サービス「スターリンク」も運用しており、衛星運用でも存在感を増している。

 日本は宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱重工業を中心にロケット開発が進められてきた。大型ロケット「H2A」が2025年6月に退役。コスト削減による競争力強化を狙った後継機「H3」に主力が移った。

 ホンダなどの異業種やスタートアップによるロケット開発、デブリ(宇宙ごみ)の回収ビジネスなど新規参入も相次いでいる。

画像のクリックで拡大表示

業界規模

日本の宇宙機器関連企業の売上高:3980億円(2022年度、日本航空宇宙工業会調べ)

キーワード

【宇宙活動法改正】
企業が宇宙で活動する際の許認可を定める「宇宙活動法」の改正が検討されている。現行法はロケットの地球への着陸は前提にしておらず、宇宙活動法の対象になると許認可の基準が明確になり、企業が事業計画を立てやすくなる。

日経クロステック 2025年12月25日付の記事を転載]

業界の基本が1分でわかる! 『日経業界地図 2026年版』では、過去最多の201業界、4900企業・団体を収録。日経記者が総力をあげて取材し、業界ごとに企業の提携・勢力関係を図解で示します。企画や提案に役立つ巻頭特集を拡充し、業界規模グラフなどでより見やすく、より使いやすくなりました。

日本経済新聞社編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
親子で挑むキャリア形成 納得の内定への第一歩! 巻頭インタビューは小説家の朝井リョウさんとJAXA宇宙飛行士の米田あゆさん。今、就活生やその保護者/親が気になっている「就職人気企業ランキング」や、自己分析・ES・インターンシップ対策はもちろん、注目31業界の動向・売上・年収がわかる業界地図、「親世代にもっと知ってほしい注目企業」まで幅広く収録。

日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)