その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は澤口実さんの『 モニタリング・モデル 社外取締役が過半数を占める取締役会の新しいスタンダード 』です。

【はじめに】

本書をお読みいただくにあたり

 いま、日本の上場企業では、取締役会の過半数を社外取締役が占めようという段階にきています。その結果、取締役会の役割も変化が求められていますが、混乱も生じています。本書は、その上場企業の取締役会の役割について、特にモニタリング・モデルと呼ばれる、アメリカで支配的であり日本でも今後主流となることが想定されるスタイルを、いろいろな角度からご説明するものです。モニタリング・モデルへの批判もできるだけ取り上げていますが、それはどのような批判があるかを理解することで、本質がわかりやすくなると考えたからです。

 本書は、経営者や社外取締役、さらには一般ビジネスパーソンを対象に、コーポレート・ガバナンスについての専門的な知識がない方でも読んでいただけることを心がけました。ただし、専門的な知見のある方にご活用いただくことも考え、本書の最後に注として出典などの参考情報も記載しています。筆者としては、本書のテーマについてはいまだ議論が収束したとはいえない状況にあることを踏まえ、企業をリードする立場の専門家にこそ読んでほしいという隠れた願望を持っています。

 できるだけストレスなく読んでいただけるような工夫もしています。各章、各節の冒頭にはその内容を要約したSUMMARYを記載しています。目次の次には、本書全体のSUMMARY、つまりダイジェストも記載しています。本書作成にあたり、美辞麗句や繰り返しなどの無駄な記述を省いたつもりですが、このSUMMARYは、概要の把握はもとより、限られた時間を使って読む価値があるのか、どの部分は省略可能かの判断にもご活用ください。

 第Ⅲ章では、客観性を高めるために、取締役会と関わりの深い分野・立場から、かねてより是非ご意見を伺いたいと思っていた識者と対談させていただき、その内容を要約して掲載しています。ご協力いただいた識者の多くは上場企業の社外取締役の経験もお持ちであり、納得感のあるご意見を示して下さいました。

 最後に、本書の完成に至るまでに、お話を伺った識者の方々はもちろんのこと、研究者や専門家の方々からも貴重な示唆をいただきました。筆者の所属する組織の同僚やスタッフからのサポートも受けました。日経BP の網野一憲氏には企画から編集まで尽力いただきました。この場を借りて皆様に御礼申し上げます。

2026年1月
筆者

【目次】

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