その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は日本経済新聞社(編)の『 日経経済知力テスト公式テキスト&問題集 2025-26年版 』。「まえがき」をお届けします。

【まえがき】

 日経TEST(日経経済知力テスト)とは、日本経済新聞社が実施している、ビジネスに必要な経済知識と、それを仕事に応用して考える力(総合して経済知力)を客観的に測り、スコアで示すテストです。

 経済はめまぐるしく変化しています。多くのビジネスパーソンの皆さんは、日々、日本経済新聞などを通じて経済情報の吸収に努められていると思いますが、周囲に比べ「どこまで」できているか、過去の自分と比べ「どれだけ」成長したかは、客観的に評価しにくいものです。これから取り組まれる方や、就職を控えた学生の皆さんにとっては、「どこから」手をつければよいか、見当がつきにくいと思います。

 そうした皆さんに、「自分の経済知力がビジネス社会でどのレベルにあるか」を数値化して示すのが、日経TESTです。受験結果は英語能力のテストなどと同様、項目反応理論(IRT)に基づく統計処理を行った1000点満点の「経済知力スコア」で示します。業種、役職、就業年数によりどの程度のスコアが求められるのかの目安も設けています。

 スコアで実力が分かり、「どこまで」という目標が設定できるので、レベルアップの必要を痛感されている方、これから学ぼうという方には特に適しています。問題形式はすべて四肢択一式で100問、時間は80分。得意分野・不得意分野の診断も提供します。

 出題ジャンルは経済・金融・産業から、消費、科学技術、国際情勢まで幅広く、皆さんのそれぞれの仕事を掘り下げるうえで必要な分野をカバーしています。知識に基づき、考える力も測るのが特長で、独自の「5つの評価軸」を設けてそれぞれの力を測定しています。このように幅広い分野を対象に、仕事に応用して考える力も客観的に測るテストは、日経TEST以外にありません。

 出題の材料は「生きた経済」です。経済・ビジネスの最新の動きを題材に問題を更新しているので、経済ニュースへの感度を高め、そのつど考える習慣をつけておくことが、経済知力のアップに有効です。そのため本書も毎年、「年版」を発行し、最新の経済動向を盛り込んだ解説と練習問題を収録してきました。

 2024-25年版の発行から1年、世界の経済・ビジネス環境は第2次トランプ政権の発足など激変しました。日本では日銀が2013年から続けてきた異次元の金融緩和政策を転換して「金利ある世界」が復活、政策金利は1995年以来30年ぶりに0.5%を超えようとしています。これらを受けて2025-26年版は解説内容を大幅に改訂し、練習問題100問も全面更新しました。日経TESTの出題の4割を占める考える力を測る問題についても主な出題形式を整理・図解し、受験対策としての解説も充実させています。

 日経TESTはいわゆる資格試験や検定試験と異なり、このテキスト一冊をマスターすれば合格、というテストではありません。しかし、本書を読み通すことで、複雑さを増すように見える世界経済・日本経済の全体像がつかめ、難しいと感じていた日々の経済ニュースが頭に入りやすくなり、測定対象とする経済知力のアップにつながるはずです。

 昨年版までと同様、練習問題とその解説も含め、新しい知識を吸収しながら楽しく読み進めることができる構成にしています。日経TESTを当面、受験する予定のない方にとっても、25~26年の世界経済・日本経済のポイントをまとめてつかめる一冊として、お勧めします。


 なお、日経TESTは個人でも法人単位でも受験できるテストセンター試験と全国一斉試験、法人単位で受験する企業・団体試験のメニューを用意しています。教育・研修に導入いただく企業も引き続き増えており、大きく変わる経済・ビジネス環境に対応したリスキリング(学び直し)のメニューの1つとしても役立つはずです。人材育成のリーダーとなる皆様もお手に取り、導入検討の材料にしていただければ幸いです。

 2025年3月

日本経済新聞社 人財・教育事業ユニット コンテンツグループ


【目次】

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